カワイイ!がとまらない、超絶繊細な「フジタの猫」大集合! 藤田嗣治の作品集刊行

 日本、エコール・ド・パリを代表する画家・藤田嗣治の作品集が刊行される。世界文化社の書籍『藤田嗣治  安東コレクションより  猫の本』(軽井沢安東美術館・編)だ。

 世界で初めて「藤田嗣治の作品だけを展示する個人美術館」として開館された軽井沢安東美術館。世界屈指のコレクションの中で、蒐集の原点となったのは猫の絵。

 日本を、そしてエコール・ド・パリを代表する画家・藤田嗣治(1886-1968)は、その画家人生の中で長きにわたって猫を描いた。彼の絵には、自身で猫を飼い、共に暮らし、日々観察していたからこそ描くことができる「気づき」に溢れている。

「私はよく猫を描く。画室にいる時モデルがないと  猫を描くのである。サイン代わりに猫を描くこともある。── 藤田の言葉 」

 愛すべき猫たちのふとした仕草を、ひげを、肉球を巧みにそして緻密に描き出した藤田嗣治。毛並みの一本一本まで繊細に線をひいた藤田の猫たちに出会えば、目も心も幸せになるはず。

 軽井沢安東美術館の新収蔵作品まであますところなく収載した本書で至福のひと時を――。猫好き、アート好きは必見だ。

■内容紹介
『猫十態』(1929) ●『猫十態』は藤田の水彩画をもとに、パリのアポロ社より1929年に出版された版画集である。マカール法と呼ばれるドライポイントやエッチング等を組み合わせた混合技法で100セットが刷られた。その他、若干数の特装版もある。10種のポーズで生き生きと描かれた猫。その柔らかな色合い、細密な猫の毛の表現からは、体温までもが伝わってきそうだ。(本書より)

『猫の教室』(1949) ●この作品のなかの猫たちは、人間のように学校の教室で勉強をしている。質問をする教師、真面目に答えている子、後ろを向いている子、ケンカをする子たち、床に寝そべる子や、どうやら早弁をしている子までいる。ありふれた日常の楽しい教室の一コマは、平和が回復した時代への喜びを伝えているかのようだ。面相筆を使って描かれた細かいひげや猫の毛なみのディティール、ユーモアあふれる猫たちの表情など、藤田が得意とする猫の表現が、あますところなく描かれている。「猫の教室」が一般に公開されるのは、1988-1989年に開催された「レオナール・フジタ展」(東京都庭園美術館)以来、33年ぶり。(本書より)

《コラム執筆》
佐藤幸宏(札幌芸術の森美術館 館長)、林 洋子(美術史家・兵庫県立美術館 館長)、室井 滋(女優・エッセイスト)

■刊行概要
『藤田嗣治 安東コレクションより 猫の本』
軽井沢安東美術館・編
発売日:2023年7月2日(日)
定価:2,860円(税込)
発行:株式会社世界文化社
https://www.amazon.co.jp/dp/4418232125

 

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