ほぼ擬音だけで子どもたちが大爆笑 絵本テキスト大賞受賞作『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』刊行

 絵本テキスト大賞受賞作『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』が、5月31日に童心社より発売された。

 第10回絵本テキスト大賞を受賞作である本作は、「ががががーん」など、ほぼ擬音だけの文章で、登場人物の連鎖する驚きの感情を描写している絵本。実験的ながら、発想の自由さや奇想天外さ、女の子の心情を元に展開されるストーリーが評価され、絵本テキスト大賞受賞が決まった作品である。

 女の子のショックがレストランをとびだし、街全体へと広がっていく……。説明文のない擬音だけのテキストからナンセンスで奇想天外な世界を、画家・高畠那生が巧みに描き出している。

 お話が生まれるきっかけとなったのは、作者の渡辺朋のお子さんが、小さかったころ擬音で話す遊びをしていたこと。ちょっと残念なことがあったとき、それは「ががががーんだったね」と話していたことが、この絵本の原型になっている。

 制作中、作者の渡辺朋と担当編集者が試作品を持って、保育園で読み聞かせをしてみたという本作。少しずつ笑いが起きはじめ、擬音だけで展開されるという、この絵本の法則をつかむと、全体に一体感が生まれ、一緒に声をだしたり、予想をこえた良い反応を見せてくれたという。次々と、そしてだんだん増えてくる擬音の波に子どもたちは大爆笑。おはなし会で盛り上がることまちがいなしの一冊だ。

■あらすじ

『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』【史上もっとも「ががががーん!」な絵本】

女の子がお気に入りの白いドレスを着て、レストランに行くと、
白いドレスにケチャップが、ぽとっ……。

「ががががーん」

それを見たママは「げげげげーん!」
ママを見たパパは「ぞぞぞぞーん!」
女の子のショックはあかちゃんにも、ウェイターさんにも、
テーブルの上のパンにもビンにもコーンにも伝わって、町中のみんなを巻きこんでの大騒ぎに!

■関連イベント
『おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました』出版記念原画展
会期:2023年7月11日(火)~7月30日(日)11:00~20:00(水土日祝日18:00まで/月曜定休)
会場:目白のえほんや にこにこ書店
住所:〒161-0033 東京都新宿区下落合4-26-13(目白金井ビル)
電話: 03-3565-6232
URL:http://www.nikoniko-books.com/

■著者紹介
渡辺朋(わたなべ・とも)
福井県生まれ。童話の会「ペパン」同人。本作で第10回絵本テキスト大賞を受賞。絵本作品に、『うーんうん うんちちゃん』『ちゃーぷちゃぷ あひるちゃん』『ゆーらゆら みかづきちゃん』(いずれも文響社)がある。

高畠那生(たかばたけ・なお)
岐阜県生まれ。東京造形大学美術学科卒業。絵本作家。2003年に『ぼく・わたし』(絵本館)でデビュー。『カエルのおでかけ』(フレーベル館)で第19回日本絵本賞受賞。『うしとざん』(小学館)で第68回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、第70回小学館児童出版文化賞受賞。

■書誌情報
書名:おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました
著者:渡辺朋 作/高畠那生 絵
定価:1,650円 (本体1,500円+税10%)
判型:A4変型判
サイズ:26.3×21.6cm
ページ数:32ページ
ISBNコード:978-4-494-01249-7
発売日:2023年5月31日
対象:3歳~
童心社ホームページ:https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494012497

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