ドラマ『こっち向いてよ向井くん』赤楚衛二演じる「向井」はどんなキャラ? 恋愛に翻弄される主人公を解説

 「フィール・ヤング」(祥伝社)で連載中の人気漫画『こっち向いてよ向井くん』が2023年7月、ドラマ化されることが発表された。

 赤楚衛二が主演を務めることも発表され、Twitterでは作品名になぞらえたハッシュタグ「#こっち向いて頑張るよ赤楚くん」がトレンド入りするなど話題を呼んでいる。赤楚が演じる主人公・向井とはどんな人物なのか。本稿では向井の人物像やドラマ化への期待などを考察したい。

恋愛に翻弄される主人公・向井

 「もしあの時 彼女を守る甲斐性があったら俺は今頃…」と思い悩むなど、元カノにフラれてから10年が経ちつつあるなかでも未練タラタラの35歳会社員・向井。恋愛や結婚が遠い存在となっていた向井が出会ったのは、彼のはたらく会社の派遣社員・中谷さん、そして義理の弟が経営するカレー屋で知り合った常連客・洸稀という2人の女性だった。恋愛の仕方がわからなくなってしまった向井はさまざまな女性と関係を深めていく。

 相手といい感じの関係を築いたかと思えば、その彼女が別の男性と付き合ってしまうなど、本作において向井は恋愛に振り回されながら好きや嫌い、恋愛や結婚についてあらためて考えることとなる。

 元カノのことを思いながらヒゲを剃る仏頂面の向井や女性にアプローチを拒まれてしまい焦る向井、フラれたものの飲み友達がいないことに冷や汗を流す向井ーー。恋愛に一喜一憂する向井の表情はとても豊かだ。

 もちろん向井が浮かべるのは曇った表情だけではない。後輩と共にボルダリングへ訪れた際には大学のサークル活動での経験を活かし、後輩に華麗な姿を見せることとなる。後輩に褒められた向井は嬉しさを表面に出すことを我慢しつつ、にやけた表情を見せる(その直後に肩を落としてしまうことになるのだが……)。

 いずれにしても、向井のもつさまざまな側面は豊かな表情とともに描かれている。少し幼さの残る向井であるが、その表情から人生経験による人間味がにじみ出ており、いつの間にか魅力的に感じてしまうのだ。

「向井の恋愛ご意見番」である洸稀との関係

 特定の女性と向井の関係が進行していくなか、同時並行で進むのは洸稀との関係だ。

 コミックスのキャラクター紹介にて「向井の恋愛ご意見番」と書かれている洸稀は、ときに向井の失敗を振り返り、ときに傷ついた向井の隣で寄り添ったりなど、洸稀は恋愛に翻弄される向井に鋭い助言をしつつも彼を支えていくこととなる。

 そんな洸稀も向井とは別の男性と接近する様子が描かれ、互いに別の異性と関係を築いていく。向井が女性にフラれたことをきっかけに、向井と洸稀の関係にも変化が表れたりなど「向井と女性の恋愛的関係」と「向井と洸稀の友人的とも捉えることのできる関係」といった2軸の変化を楽しめることも本作の魅力であろう。

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