【漫画】山の中で出逢った「何か」にゾッ……恐怖体験を描いたSNS漫画が話題

 ――本作を描いたきっかけは?

勝見ふうたろー(以下、勝見):もともと1次創作の同人誌即売会「コミティア」に旅行日記集『奇譚紀行』を出そうと思っていたんです。それがルポルタージュになっているので、漫画家として漫画も入れようかなと。

――他にもこういう不思議な体験をしたことは。

勝見:覚えている限りですと、この4年前の体験だけですね。僕自身はもともと霊的な存在についても懐疑的でしたが、実際に体験してすごくインパクトがありました。「本当にあった怖い話」のように友達に話すことがあったので、記憶が補強された面もあると思います。

――顔の書き方にも特徴があります。

勝見:エッセイ漫画は自分をこのキャラクターで描くようにしています。被っている帽子はそのままで、目の上の傷も誇張してポイントにしています。あと自然が好きなので、山を描くのも楽しかったですね。

――「何か」と出会うシーンについても改めて教えてください。

勝見:自分の20~30センチ先前に現れた「岩の上に両目だけがある」という存在が本当に不気味で、その異様さが伝わればいいなと思って描きました。全体的にデフォルメされた絵柄に対して、この場面は実写っぽく仕上げているのが特徴です。

 目で追われたり向きが変わったりしましたが、位置は動きませんでしたね。頭が真っ白で、好奇心はまったく湧かず、考えられたのは後ずさりしてゆっくり逃げることだけでした。

――他に旅のネタで漫画を描くとしたらどんな内容にしますか。

勝見:『奇譚紀行』には収録できませんでしたが、去年の夏に沖縄・那覇へ旅行に行ったんですよ。人も温かいし、気候も嫌な感じの暑さではなく、食べ物もよくて。まだ見ていない場所もたくさんあるので、本島や離島にもっと行って、考えたり感じたりしたことをコミックエッセイみたいな感じで伝えられたらと思っています。

――沖縄で体験したエピソードが何かあれば教えてください。

勝見:那覇市でヤギ料理が食べたくて、知人に紹介してもらった料理屋に行ったんです。おばあさんが主人だったのですが、彼女が「すごく美味しいものを手に入れたから」とサービスとして、お裾分けしてくれたんですよ。そこまで美味しいのかと期待したら、出てきたのはコンビニで売っているブルーベリーとクルームチーズのサンドイッチだったんです(笑)。

 「私が人生で食べたもののなかで一番美味しい」と嬉しそうな様子を見て、「どこでも買えるものなのにな」と若干複雑な気持ちで食べました。その後はヤギ料理を堪能しましたが、あまりに斜め上からだったので強烈に覚えていますね。

■同人誌情報
勝見ふうたろー『奇譚紀行』
コミティア・スペースNo「さ20b」にて販売

関連記事