【漫画】「あいつさえいなかったら」過去に戻ってライバルを消そうとしたら……意外すぎる展開の読み切り作品が話題
2人しか登場人物を出せない
――まず『それなりの科学者が過去に戻って天才科学者を消そうとする話』制作の経緯を教えてください。
蟻沢:本作は『コロコロコミック』の曽山一寿賞に合わせて描いたものです。当時はかなり時間に余裕がなく、友人にアシスタントをお願いして、どうにかギリギリ間に合いました。作中の可愛いメイドロボは友人の作画です!
ーーストーリーはどのように制作しましたか?
蟻沢:タイムスリップ・タイムリープものが好きなのと、ライバル同士の関係が好きなのでそれを取り入れました。また、ギャグについては『コロコロコミック』の作品をはじめ、自分の好きなギャグ漫画のノリをいくつか思い浮かべながら考えました。ちなみに、曽山一寿賞のルールとして登場人物は2人まで、という制限があります。ですので、そのルールを守れるようにメインの2人だけでストーリーを進行するように気を付けました。
――2人しか出せないのは大変な制約ですが、どちらも魅力的なキャラでしたね。
蟻沢:ありがとうございます。秀は中学生の時に『RPGツクール』で作っていた自作ゲームの中ボスの悪の科学者、天才は趣味のTRPG(テーブルトークRPG)で作った医者のキャラクターをベースに作りました。
ギャグはどう決めている?
――俯瞰やあおりを使いながら登場人物を様々な角度で見せることで、作品に緩急を持たせていました。
蟻沢:人体としての正しさよりカッコ良く、可愛く、コミカルに見えるバランスを意識して描いています。極端な俯瞰やあおりの時は3Dモデルを使うこともありますが、そのままトレースするだけでは固く見えてしまうことは多いです。ですので、そうならないように意識しました。
――終始テンポが良く、ストーリーの核となる部分、読者が笑える部分以外は徹底的に削ぎ落したような印象を受けました。
蟻沢:テンポはいつも意識している部分なので、気付いていただけて嬉しいです! 極力自分が描いていて楽しくないシーンは削るようにしています。これは「描いていて楽しいシーンのほうが読んでいても楽しいんじゃないか?」と思っているためです。というのは嘘です。描いていて楽しくないところを描きたくないだけです(笑)。
――(笑)。「描きたいこと」にフォーカスすると独りよがりになってしまうこともありそうですが、本作のギャグはどれも楽しく笑えました。
蟻沢:基本的には自分が面白いかどうかの感覚を意識して描いています。ただ、感覚で一通り描いた後に何度か自分で読み返してギャグを足したり引いたりすることも多いです。それ単体で面白いと思ったギャグでも、キャラクター性と矛盾するような気がしたら削るようにしています。
――今後はどのように漫画制作を展開していく予定ですか?
蟻沢:本作のようなギャグっぽい作品も描く予定ですが、他にもシリアスなストーリー漫画やホラー漫画も描いています。Twitterやpixivなどで今後も漫画を掲載していくつもりなので、良かったらフォローお願いします!
また、仕事でもどんどん漫画を描けたら嬉しいです! これまでも動画の脚本やネーム作成、絵本の作画、漫画の制作など、いろいろな仕事をさせてもらいました。ですので、そういった依頼もお待ちしています! 連載も欲しい!
――モチベーションが高く、多くの活動をされているんですね。
蟻沢:はい。他にも、私がアシスタントさせていただいている輪立さく先生作の『リプライズ 2周目のピアニスト』、酒井大輔先生作の『ゴリせん~パニックもので真っ先に死ぬタイプの体育教師~』も、めちゃめちゃめちゃめちゃ面白いのでぜひ読んでください! ツンデレライバルを描きたくなったのは『リプライズ 2周目のピアニスト』に登場する義秀寺そららちゃんの影響です! また、いつか『ゴリせん~パニックもので真っ先に死ぬタイプの体育教師~』のようなマジでめちゃくちゃ面白いギャグ漫画を描きたいです!