みんな気付いた? 『【推しの子】』有馬かなが愛読する「よくわかる」シリーズが奇天烈すぎる
4月12日に第1話が放送されると『推しの子』『初回90分』などのワードがTwitterのトレンドにランクイン。人気コミック『【推しの子】』のアニメが、ネットを中心に大反響を呼んでいる。
1話の最後には、高校生になった有馬かなも登場した。文字を全て視認できなかったので確定ではないが、このときの有馬は「よくわかるマネートレード」という本を読んでいるのだ。彼女は原作の7巻で「ちゃんと運用もしているから米国株の伸びに感謝ね」と、資産運用を行っていることを明かすシーンもあるため、意外とその手の本を読んでいるのかもしれない。
実際、しれっと描かれているため気づきにくいが、原作マンガの『【推しの子】』でも「よくわかる」シリーズはたびたび登場しており、主に有馬が愛読している様子が描かれている。本記事ではその「よくわかる」シリーズが描写された部分を紹介したい。
まずは「よくわかる」シリーズについておさらいしておこう。このシリーズは、現実世界でもたびたび出版されており、図解やマンガなどを用いて初心者にわかりやすく説明するという実用書的な内容が多い。有名な本だと『よくわかるExcel』や『よくわかる心理学』だろうか。さまざまな出版社から刊行されているため、見かけたことがある人も多いはず。
3巻22話では、有馬が「よくわかるエリマキトカゲ」という本を読んでいる。このエピソードでは、兄のアクアが収録で忙しいのに対し、仕事のない自分は何をするのが最善かルビーが考える様子が描かれた。筆者が何度読み返しても、有馬がエリマキトカゲを知りたがっている理由は見つからなかった。残念。
4巻では「よくわかるインターネット ウミウシ」という本を黙読している。しかも、表紙に「①」と書かれているため、2巻目もあるということなのだろうか。決してウミウシが悪いわけではないが、出版社的にそれは大丈夫なのかと心配になってしまう。
実はその前のページでは、アクアがベンチに腰を掛けながら同じ本を読んでいるコマがある。このとき有馬はアクアを一方的に嫌っていた時期だ。もしかすると、共通の話題を作って有馬と仲直りするためにアクアは読んでいたのかもしれない。
10巻では、有馬が「よくわかる駐車場経営」という本を読んでいる。彼女は子役時代の貯金や資金運用をしていることからも、それなりに貯蓄はあるのだろう。狭小地であれば駐車場を造ったとしても投資できない金額ではないはず。
同じく10巻には、「よくわかる乳化」も出てくる。乳化とは、本来交わらない水と油が一時的に混ざった状態のことを指す言葉で、料理や洗顔剤などでもよく使われる用語だ。有馬も料理や美容品に興味がある描写はあるため、基礎を学ぶという意味で読んでいた可能性もある。
また、11巻で有馬は「①タランチュラまみれの落とし穴に落とされる」「②マシンガンで全身蜂の巣にされる」「③隕石が落ちてきてもの凄い勢いでぺちゃんこにされる」の3つからどれを選ぶかアクアに迫る描写がある。アクアが③を選ぶと、有馬は①以外を選んだ人はアホと切り捨て「タランチュラは噛まれても痛いだけで毒は無いんでーす!本に書いてあった!」と得意げに胸を張るのだ。「よくわかるタランチュラ」でも読んだのだろうか。
そもそも彼女がなぜ「よくわかる」シリーズをそこまで愛読しているのか。あくまで個人の見解だが、彼女は芸能界という現実を知っているからこそ、引退時に備えているという見方もできる。事実、彼女は作中で「アイドルなんて売れても食えない上に旬の短い仕事なんだから 良い大学に入るために何かした方が人生にとってプラスよ」と言いながら「よくわかるエリマキトカゲ」を読んでいるのだ。「よくわかるエリマキトカゲ」が人生にとってどんなプラスになるのかはさておき、彼女の言い分は至極現実的で、賛同できる部分があるのも確かだ。
それにしても、もう少しためになる本は他にもあったはず。彼女は何を求めて奇天烈な「よくわかる」シリーズを愛読しているのだろうか。謎は増々深まるばかりである。