北関東の異界とは? 「絶品メシ」と「移民」を描くノンフィクションから見えてきた日本の屋台骨

 アジア専門のライター・編集者として活動する室橋裕和氏が新刊『北関東の異界 エスニック国道354号線―絶品メシとリアル日本―』(新潮社)を3月17日に刊行する。

 群馬県高崎市から茨城県鉾田市まで北関東を横断する一本の道、誰が呼んだか「エスニック国道」は知る人ぞ知る異国飯の本場だ。外国人労働者が集まるレストランやモスク、ときには彼らの自宅で著者がふるまわれるのは、湯気立ち上る皿、皿、皿。舌鼓を打ちつつ目撃したのは日本の屋台骨を支える「見えない人々」の姿だった。

 皿と人の間を走り抜けるロードムービー・ノンフィクション!

【出てくる街をご紹介!】
伊勢崎 バブルが異国の風を運んできた/太田・大泉 よそものたちがつくった街/館林 カレーの香りの向こうに難民/小山 宴は中古車オークションのあとで/古河 畑の中にぽつんとアジアン長屋/境 食べて、祈って、集まって/坂東 外国人が日本の土を守る/常総 亀仙人街は今日も大賑わい/土浦・笠間 農村から聞こえるタイ演歌 /鉾田 エスニック国道の果てに 

【はじめにより】
北関東を東西に走るこの道路に沿って、移民ベルト地帯が形成されている。いうなれば、「エスニック国道」だ。
それはいったい、なぜなのだろうか。どうしてこの地域に、どんな事情で外国人が集まるようになったのか。そして彼らはどんな暮らしをしていて、地元の日本人はどう感じているのか……急速に「移民社会」化が進む日本の、縮図がここにはあるかもしれない。ついでにいうと、きっと本場の異国飯も楽しめるはずだ。
僕はそんなことを思って、じっくりと354を旅してみることにした。

【著者】
室橋裕和(むろはしひろかず)
1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発の日本語情報誌に在籍し、10年にわたりタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。現在は日本最大の多国籍タウン、新大久保に在住。著書に『ルポ新大久保』(辰巳出版)、『日本の異国』(晶文社)など。

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