大沢在昌「新宿鮫」シリーズや人気ミステリ作家の作品も……立花もも解説! 12月の文芸書週間ベストセラー


 文芸書の週間ベストセラーランキングの中から注目作品を立花ももが解説。12月はどんな作品が登場するのか。早速行ってみましょう!

 12月期【単行本 文芸書ランキング】 (12月6日トーハン調べ)

1位 大沢在昌『黒石 新宿鮫Ⅻ』(光文社) 
2位 内館牧子『老害の人』(講談社) 
3位 柚月裕子『教誨』(小学館) 
4位 『このミステリーがすごい!』編集部『このミステリーがすごい!2023年版』(宝島社)
5位 北方謙三『チンギス紀 十五 子午』(集英社) 
6位 理不尽な孫の手『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 26』(KADOKAWA)
7位 トロ猫『転生したら捨てられたが、拾われて楽しく生きています。2』(アルファポリス)
8位 神永学『心霊探偵八雲 INITIAL FILE 幽霊の定理 』(講談社)
9位 ながワサビ64『未実装のラスボス達が仲間になりました。5』(KADOKAWA) 
10位 『このライトノベルがすごい!』編集部/編『このライトノベルがすごい! 2023』(宝島社)

 12月第一週の週刊ベストセラー、1位は累計800万部突破の大沢在昌「新宿鮫」シリーズ最新作。主人公である新宿署の刑事・鮫島は、犯罪集団「金石」の幹部抗争に関連した殺人事件をきっかけに、黒石という謎の殺人者が過去に起こしたという、知られざる大量殺人に向き合うこととなる……。

大沢在昌「黒石 新宿鮫Ⅻ」(光文社)

 前作『暗約領域』が謎解きに寄ったミステリー小説であったことから、今作ではアクションを多めに描こうとあらかじめ決めていたという大沢。タイトルの黒石とは今作に登場する謎の殺人者の名前で、シリーズのなかでも流血シーンが多めになっている、と公式ホームページの動画インタビューでも語っている。今作は、鮫島と因縁の深かった金石との対決もクライマックスということで、常以上に注目している読者も多いことが、1位の決め手か。

 ちなみに本シリーズの第一作刊行は1990年。それから30年以上も書き続けながら、飽きを感じさせることのない新しい手法を重ね、時代を物語に映し出しながら読者を翻弄し続けている。年末年始の長期休みは、ふだんなかなか手にとれないシリーズものを味わうにはうってつけ。ぜひこれを機会に手にとってみては。

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