『HUNTER×HUNTER』ファン歓喜の新展開……“連載脱落者”も今週号から復帰すべき理由

 「週刊少年ジャンプ」で約4年ぶりに連載を再開し、毎週のようにマンガファンの話題になっている『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)。既報の通り、長期の休載、多くの陣営の利害が複雑に絡み合う展開、大量の新キャラクターに、“絵がついた小説”と表現するファンも出てくるほどのテキストの量……と、待望の連載に「ついていけない」という声が聞かれていた。

 しかし、11月21日発売の「週刊少年ジャンプ」51号で、一度は連載から脱落した読者が“復帰”する大きなチャンスが生まれている。

 一定数の読者が現状の展開についていけない理由として、上記のような複雑さとともに、「思い入れのあるキャラクターがあまり活躍していない」ため、物語の筋が追いにくいことがあった。ネタバレは控えるが、そんななか最新号では、読者人気の高い、あるキャラクターたちの「過去編」が開始された。テキストの量は相変わらず多いが、愛着のある“彼ら”のエピソードならすんなり頭に入ってくる、という人は多いだろう。特に複雑化の一途を辿る物語にフラストレーションを溜めていたファンにとっては、歓喜の展開だ。

 そして、多くのファンが待ち望んだエピソードの一つと言える今回の“過去編”が、「満を待して」という大袈裟なタイミングではなく、不意にスタートしたのが、天才・冨樫義博らしい。それだけに、すぐに本筋に戻る可能性もあるが、長編になりそうな気配も漂っている。

 冨樫氏は10月16日、自身のTwitterで「397話」の一コマを公開しており、それは大きな木々が生い茂る、森のようなカットだった。これは現在進行している物語の舞台となる、巨大な船からの「場面転換」を思わせるものだったが、どうやら「過去編」の一部だったようだ。今週掲載分が395話であり、少なくともあと2話は、過去編が続くと思われる。

 「主要」と言っていいキャラクターの過去編について回るのが、心を抉るトラウマティックなエピソードであり、それも冨樫氏の真骨頂といえる。これからしばらくの間、覚悟しながら月曜日を待つ、「キメラアント編」連載当時のような緊張感が戻ってきそうだ。

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