『週刊少年マガジン』 人気漫画家対談 『カノジョも彼女』ヒロユキ×『彼女、お借りします』宮島礼吏
毎週水曜日にコンビニで『週刊少年マガジン』を買って、最初に読むのは漫画……ではなく、後ろにある目次のページだ。というのも、いつも目次のコメント欄で、『カノジョも彼女』のヒロユキと、『彼女、お借りします』の宮島礼吏が、まるで掛け合い漫才のようなコメントをやりとりするのが定番になっているからだ。マガジンを代表するラブコメ漫画の大御所2人は、なぜこんなに仲がいいのだろう!? 素朴な疑問を直接2人にぶつけてみた!
「ヒロユキ先生は理系なイメージ」「宮島先生は酔ってる先生たちを適当にあしらってた」
――ちょうど現在発売中の週刊少年マガジンでも、ヒロユキ先生と宮島礼吏先生がお互いのことに触れるコメントを寄せていますし、Twitterでもコメントを交わし合ったりしていますよね。あまりに仲良しなので先生方の関係性が気になり、このような席を設けていただきました。さっそくですが、先生方の出会いからお話しいただけますでしょうか。
ヒロユキ:2015年にあった講談社の年末パーティーの、3次会くらいで会ったのが最初でしたよね。
宮島:居酒屋で、漫画家何人かで会ったのが始まりですね。
ヒロユキ:実は初対面のときの宮島先生は、これといった印象がないんですよ。普通でしたね。
宮島:僕にとってのヒロユキ先生のイメージは、その時から何も変わらないですね。理系な感じのイメージかな? 漫画の描き方などを分析している印象です。具体的に何を話したのかまではあまり覚えていないのですが、その席にとある先生がいらっしゃったんです。その先生はお酒を飲むと陽気にしゃべる方なんですが、ヒロユキ先生が的確な話題を挟みながら、お話しをされていたイメージがあります。
ヒロユキ:僕は、宮島先生が、酔っぱらっているその先生を適当にあしらっていたことまでは覚えていますけど(笑)。
――先生方が、お互いの気が合うと感じたのはどんなタイミングですか?
ヒロユキ:宮島先生を認識したのは『彼女、お借りします』が始まった頃ですね。そして、別の飲み会で会ったときに、この人、いかれているなあと思いました(笑)。
宮島:それって、一緒にお肉を食べたときでしたっけ? ヒロユキ先生の主催で、漫画家の先生方を集めて飲み会をやりましたよね。確か、『彼女、お借りします』の3巻が出たころだったと思います。
「意気投合はいまだにしてないし、した覚えもありません(笑)」
ヒロユキ:それまでも何回か会う機会はあって、そこまでいかれているなと思ったことはなかったんです。でも、肉の会の時はすぐ横の席で、割と話もしたし、他の先生と話をしているのも聞きました。そこで、とある先生が最近離婚したという話をしていたんですが、それを宮島先生がゲラゲラ笑っていたんです(笑)。その先生とは初対面だったそうですが。
宮島:そこは、その場を明るい空気にした方がいいと思って、やっただけですよ(笑)!
ヒロユキ:センシティブな話題だったので、僕はどう反応すればいいのだろうと。ともあれ、宮島先生と結構ちゃんとしゃべったのは、そのときが最初だったと思います。
――そこから意気投合したわけですね。
宮島:意気投合はいまだにしていませんし、した覚えもありませんよ(笑)!
ヒロユキ:利害関係が一致したんですよ。僕の『カノジョも彼女』が始まったときに、週刊連載で忙して、寂しいので人と話したくなっちゃって。そこで、宮島先生に一緒にYouTubeをやりましょうよと提案したら、意外にもOKがもらえました。最初は、この人本当にやる気があるのかなと思っていたのですが、ちゃんとやってくれたんですよ(笑)。
宮島:漫画家がYouTubeをやる時代もくるだろうと思っていたので、この機会にやっておこうと思いました。あとは、漫画の取材の一環でYouTubeをやっている人の気持ちを知りたかったんですよ。だって今、流行っているじゃないですか(笑)。
ヒロユキ:宮島先生って、漫画の取材になるかどうかで行動を決めるんですよ。マジで。宮島先生の判断基準は、すべてが漫画につながっているんです。
宮島:あと、ヒロユキ先生の話を聞けば、純粋に漫画が上手くなりそうだなと思いました。漫画の理論など、勉強になることがたくさんありますからね。それに、動画配信に興味があっても1人でやる自信はありませんでしたから、タイミングよく乗っからせていただいた感じですね。
――2人でYouTubeのほかにも、様々なイベントなども開催されています。ヒロユキ先生が宮島先生のトークイベントで、司会を務められたこともありましたね。
宮島:ヒロユキ先生が司会をやるという話は、僕も当日に聞いたんです。驚きました(笑)。
ヒロユキ:僕は宮島先生のマネージャーから当日聞いたんです。そのときは、「何で俺が(笑)!?」と思いました。
宮島:無理に引き受けなくてもよかったんですよ(笑)!
ヒロユキ:断る理由がなかったからです。面白そうだな、という感じはありましたからね。
宮島:おかげさまで、イベントは大成功だったと思いますよ。ヒロユキ先生が司会として機能していたのかは、コメントを控えたいと思いますが(笑)。
ヒロユキ:司会としていまいちだったと言われても、そりゃ、そうだろと(笑)。そこにプライドは1ミリもないですよ。