『ルリドラゴン』クラスメイト神代さんの「気遣い」がスゴい! ルリとのコミュニケーションを考察
干渉できないことは信じて待つ
1週間ぶりに学校で過ごし、神代さんをはじめやさしく振る舞うクラスメイトの姿が描かれた第3~5話。ただ第6話ではツノがあり火を吐くことができるルリに恐怖を覚える女性生徒の姿も描かれた。彼女だけでなくルリと共にカフェで遊んだ同級生・宮下さんもルリに対し怖さを抱いていることを明かしている。
ツノが生えており、ときに火を吐いたりなど、普通の女子生徒でない自分が周りからどう思われているのか気にするルリであったが、ルリに対し神代さんは「見えない所でルリちゃん達が頑張ってることだから/あたし達が怖がることじゃないかなって」と話した。
授業の内容を理解できていないことを察するほどルリに関心をむけつつ、自分が干渉やコントロールのできないことはルリを信じて待つ。
自分と他人の違いを理解して、決して恩を着せるのではなく、さりげなく相手に寄りそうことができることが神代さんの魅力のひとつではないだろうか。第1巻は神代さんのルリの心情を察して寄り添うやさしさ、ルリを信じて待つやさしさが描かれた1冊であったと感じる。
身近にいる人の悩みを察するのは容易なことではなく、悩みを抱え込んでしまう人ほどその人が困っていることに気づきにくい。そして他者の悩みに対しどのくらい寄り添うかといった塩梅の判断も非常にむずかしいものであろう。
悩みを抱える人との接し方にむずかしさを感じた際には、神代さんの気遣いから学びを得ることができるかもしれない。