『組長娘と世話役』

　7月7日からTOKYO MXほかにて放送が開始されるアニメ『組長娘と世話係』。現在は『コミックELMO』（マイクロマガジン社）で連載している同名漫画が原作となっており、作者であるつきや氏が自身のpixivアカウントに投稿していた作品が元となっている。

　桜樹組の若頭・霧島透（28歳）は「桜樹の悪魔」と呼ばれるほどの実力をもつヤクザとして活躍していた。そんな霧島に組長・桜樹一彦が与えた仕事は自身の娘・八重花（7歳）の世話係を務めること。他人と距離を取る八重花に苦労しながらも、霧島と八重花は同じ時間を過ごしていく。

　登場人物の多くが桜樹組の関係者であり、命の危険を感じる世界で霧島は八重花との関係を築いていくこととなる。そのためヤクザの若頭と7歳の女の子が並ぶ構図や、ヤクザとしての実力は十分にある霧島が小さな女の子に振り回される様子にギャップを覚える作品だ。

　また血の流れる現場を見せまいとしたり、元気のない姿を心配したりーー。八重花に対する霧島の気遣いが少しずつ八重花に伝わり、霧島に対し八重花が徐々に心を開いていく。時間をかけて霧島が八重花との関係を深める過程や八重花の成長は、多くの読者をほっこりとした気持ちにしてくれるだろう。

　本稿で挙げた作品以外にも2022年の夏季から『賭ケグルイ双』や『新テニスの王子様』、『オリエント』といった名だたる漫画を原作としたアニメ作品が放送される。空や海の青さ生い茂る緑が映える夏の日々に、数多くのアニメ、漫画作品はさらなる彩りを与えてくれるはずだ。