──では、撮影中もっとも印象に残った出来事はありますか？ 

賀喜：えー、なんだろう……土産を買ったこととか。 

──それ、撮影と関係ないじゃないですか（笑）。 

賀喜：確かに（笑）。あ、ヤギとウサギと犬がいる場所があって、ワンちゃんが8匹ぐらいいたんですが、近づくと全員ゆっくり寄ってきてくれて、それがめっちゃ可愛かったです。あとは……あ、すごく素敵な景色があったんですけど、実は写真集のカバーを外すとその景色を見ることができるんです。とても忘れられない景色だったので、購入した方は私からのサプライズとしてお楽しみください。

──これは素晴らしいですね。表紙カバーとの対比が素敵です。 

賀喜：この写真を決めるときに候補がもうひとつあって、山下美月さんに「どっちがいいですか？」と意見を求めたんです。そうしたら、「対比があってどっちも素敵だから、どっちの写真でもいいと思うよ」とさらに悩んでしまって（笑）。結果、この写真を選びました。 

──宮古島での写真は、今の年相応の賀喜さんがしっかり表現できていると思いました。 

賀喜：ありがとうございます。こういう形で20歳の私を残せるのは、本当にありがたくて。きっとこの先、何度も見返すと思いますし、本当に一生大事にできる写真集だと思います。 

──その宮古島での写真があるから、都内での写真で良い感じの対比が作れたんじゃないでしょうか。表情もちょっと異なりますし。 

賀喜：よかった。東京は憧れの場所というか、東京に慣れることができたら大人だなというイメージがあるので、撮影ではちょっと小慣れ感が出せるように頑張りました（笑）。伝わりましたか？ 

──ちゃんと伝わりましたよ（笑）。 

賀喜：よかった（笑）。ここでは20歳という、子供と大人の境目を見せられたらなと考えて、撮影に臨みました。 

──序盤に制服の写真が、終盤には赤いドレスを着た大人っぽい雰囲気の写真があって、1冊の中で子供から大人へ成長していく微妙な変化も表現できているのかなと。それも今の年齢ならではだと思います。 

賀喜：そうですね。もうすぐ21歳になりますし、特にこの写真集を見ていると「私、大人になろうと頑張っているんだな」というのが、自分にも伝わってきます。 

「まっさら」というタイトルの理由

──メンバーの皆さんはもうご覧になったんですか？ 

賀喜：写真集自体はまだなんですけど、私がオフショットをちょっとだけ持っていて、それを4期のメンバーには見せたんですけど、普段の私よりも大人っぽかったみたいで。（清宮）レイちゃんとかあやめん（筒井あやめ）は驚いて、「キャーッ！　かっきーが！　かっきーが！」って叫んでいました（笑）。

──確かに、賀喜さんって頼りになるとか男前な印象があるので、ここまで女の子らしさや女性らしさを強く表現した写真には皆さん驚くかもしれませんね。 

賀喜：ファンの方からも「イケメンだね」と言っていただくことも多いですし。実際、今回は撮ってほしい写真のシチュエーションで「お花に囲まれたいです」とかお願いしていたので、「こういう私もあるんだよ」といろんな面を知ってもらえたらうれしいです。 

──しっかり出ていると思いました。 

賀喜：ありがとうございます（笑）。 

──そんな写真集の要所要所には、賀喜さん直筆のイラストも挿入されています。これは賀喜さんからのリクエスト？ 

賀喜：そうです。私ならではということで、絵も入れられたらいいなと思っていたので、ちょっと描いてみました。そういう意味でも、すごく私らしさが詰まった1冊にできたと思います。

──「まっさら」というタイトルを選んだ理由は？ 

賀喜：「これがこうだから」とか「見栄え的にこれがいいかな」とかあまり考えすぎずに、今の私なら直感で選ぶのがいいのかなと思って選びました。家族にも一応「どれがいい？」と候補のタイトルを見てもらったんですが、「どれもいいよね。でもしいて言えばこれ！」というのが「まっさら」。それもあって、「まっさら」になりました。 

──直感で選んだにしても、この中身にぴったりなタイトルですよ。 

賀喜：考えるよりも直感で選んだほうが、あとあと後悔しないと思いますし。今までも直感で選んだものって、何年経っても好きなんですよ。だから、この写真集を全部撮り終えた私が「これがいい」と思うんだったら、この作品のタイトルにはこれしかないんだろうなと思って。 

──1作目という点でもぴったりなタイトルですし。と同時に、ここから大人になるにつれて、どんな色が付いていくのかも楽しみになります。 

賀喜：もしかしたら、2作目は「まっくろ」かもしれないですし（笑）。 

──（笑）。この1冊を作り上げたことは、賀喜さんにとって大きな自信につながったんじゃないですか？ 

賀喜：そうですね。実は私、自己肯定感がものすごく低くて。ファンの方が私のことを好きと言ってくださっているのはとてもありがたいんですが、「なんでそんなに好いてくれるんだろう？　私のどこがいいんだろう？　どこがそんなに魅力的に感じるんだろう？」とずっと不思議に思っていたんです。でも、最終的には自分の「どこ」じゃなくて、私だから好きと言ってくれているんだろうなという結論にたどり着いて。そこから変に作り込まずにそのままで、自分が思うように行動して、自分が思うことを伝えようとするようにしていくうちに、だんだん自分に優しくなれた気がしています。以前は「私なんてダメだ」と思ってばかりだったけど、私らしく頑張っていればそういう私のことを好きと言ってくださる方は応援してくださるし。そういうなんとも言えない自信が付いたことは、確かに写真集を撮影してから、そのあとのいろんな活動を通して自分でも感じています。

──賀喜さんとは乃木坂46加入まもない頃から何度もお話を伺ってきましたが、確かにこれまで何度も「自信がない」という言葉は耳にしてきましたし。 

賀喜：ずっと言ってましたよね（笑）。なので、自分を変える良いきっかけになったと思います。この写真集が皆さんの手元に届いて、「この写真が好き」とか「この表情が好き」とかもっと知れたら、さらに自分の中での自分の価値が上がるような気がするので、今から反響が楽しみです。

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