【漫画】雪が降り積もる静かな夜、ふたりの男女は何を叫んだ? ロマンチックなTwitter漫画が話題

ーー冬のあたたかさを感じた作品でした。創作のきっかけを教えてください。

パウロタスク:自分は新潟県の出身で、アルバイトの帰りなど、雪の降る道をひとりで歩くことが多くありました。そのときの空気感が好きで、新潟を離れたあとに雪を題材とした漫画を描きたいと思い本作を創作しました。

ーーパウロタスクさんが抱く雪に対する印象を教えてください。

パウロタスク:作中の男の子のように、交通機関への影響や雪かきの手間など大変なことが多いので、今は子どものころのように雪の存在を純粋に喜べなくなったと思います。ただ、家の中から見える景色をいつもとは違う景色を見せてくれる存在でもあり、思わずスマホを構えて写真を撮ったり。ときにいいなと思える、嫌いにはなれないものなんだと思います。

ーー“音を吸収する雪”のインスピレーションはどこから得たのでしょうか

パウロタスク:むかしから雪が降っているときの夜ってすごく静かだと感じていて。もしかしたら雪が音を吸っているのかもしれないと思っていました。そして音を吸収した雪がどうなってしまうのかと考えて物語をつくりました。

ーー丸みを帯びた建物たちが、まるで雪か降り積もってできたもののように思え、作品のあたたかな雰囲気を感じました。

パウロタスク:雪が積もることでビルの1個1個とか、建物と地面など、街全体が雪でつながり、曖昧となればいいなと思い描きました。世界を曖昧に描くことで、音を吸う雪によって街から情報が無くなってしまったことを視覚的にイメージできればと思い、背景を描きました。

ーー版画を彷彿とさせる、黒色に塗られた箇所も印象的でした。

パウロタスク:本作を描いたころ、デジタルのくっきりとした感じよりもアナログに近い感じを表現したいと考えていたんです。そんな試行錯誤として本作のベタ塗りを行いました。

ーー創作活動をはじめたきっかけを教えてください。

パウロタスク:断続的ではありますが、小学生のころから漫画を描いていました。岩手県に移住する前に勤めていた職場にたまたま同級生がいて、仕事でイラストが必要となったときに同級生の後押しから絵を描くこととなりまして。そのイラストの評判が良く、自身の副業として絵や漫画を描き始めました。

ーー農業と創作活動を両立することとなった経緯を教えてください。

パウロタスク:結婚を機に妻の実家である岩手県に移住し、農業のお手伝いをすることとなりました。今は農作業をしながら、会社員時代から副業としていた創作活動も続けています。

ーー農作業が創作活動に与える影響はありますか。

パウロタスク:座って行う漫画の創作活動と異なり、農業は立って行う作業です。作業の種類が違うため、農作業をしている間に創作で煮詰まったあたまをリフレッシュすることができたり、アイデアが浮かんできたり。農作業をすることは僕にとって“散歩”に近い感覚なのかもしれません。

ーー住む場所の変化は創作活動にどのような影響を与えましたか。

パウロタスク:住む場所が異なると、会う人も見る景色もすべて変わって。その体験のすべてが創作に影響を及ぼすと思います。のんびりとした田舎で描くこと、ものがたくさんある都会のなかで描くこと。その両方があったらいいなと思います。

ーーパウロタスクさんが創作活動を続ける理由を教えてください。

パウロタスク:触れたものや目にしたものなど、僕が体験したことで感じた思いはなんだったのか、ほかの人はなぜそのように感じたのか。僕のなかでこねくり回したものを表に出すために創作活動を行っているのだと思います。

 また僕にとって自身の思いを言葉ではなく、絵にのせて表現することの方がほかの人に意図をくみ取ってもらえると感じているのです。そのため自分はイラストや漫画として表現しています。

ーー今後の目標を教えてください。

パウロタスク:今は人からもらった題材をもとに描いた作品が多いため、自分の内から出たものを題材とした作品を仕事として描きたいと思っています。そのためにアウトプットの手段や演出方法などを磨いていきたいです。

 

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