『SLAM DUNK』陰の功労者・桜木軍団 アスリートではない“等身大”の存在が作品に与えた影響

「桜木軍団」も湘北バスケットボール部の一員である

 なお、この「桜木軍団」、(原作を既読の方は充分ご承知のことと思うが)別に桜木花道の周りでワイワイやっているだけの存在ではない。荒れていた頃の三井寿が“問題”を起こした際に、水戸洋平が利かせた機転はいうまでもなく(9巻)、インターハイの直前には、安西監督からの依頼で「合宿」に参加、桜木の成長に大きくかかわっていく(22巻)。そう、彼らもまた、立派な「湘北高校バスケットボール部の一員」なのである。

 その証拠に、最終話(31巻)で描かれているある「記念写真」のカットを見られたい。名門・山王工業をくだした湘北バスケチームの面々と一緒に、4人の「桜木軍団」が堂々と(しかも後列の中央で)映っているのがわかるだろう。こうした場面では、本来なら反対しそうな(?)赤木剛憲も流川楓も、特に嫌な顔をしている風ではない。

 そう。これはつまり、桜木花道や安西監督だけでなく、チーム全員が、「桜木軍団」のことを“仲間”として認めているということの証ではあるまいか。

※本文中にある巻数は、ジャンプ・コミックス版のものです。(筆者)

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