勢いを増す異端のサッカー漫画『ブルーロック』 新章がさらに楽しくなるキーパーソンを徹底解説

※本稿は『ブルーロック』のネタバレを含みます。

 監獄のような施設に将来有望なサッカー選手を集め、あらゆる犠牲を払って世界一のストライカーを養成するーーという、デスゲーム的な要素も備えた異端のサッカー漫画『ブルーロック』。2022年にはアニメ化が決定しており、人気は加熱するばかりだが、「週刊少年マガジン」で連載中の原作も新章に突入し、目が離せない状況だ。

 ブルーロックの精鋭たちが挑んだU-20日本代表との一戦を終え、「ブルーロック」という前代未聞のプロジェクトにおいて全権を握る絵心甚八が提示した次なる舞台は、ヨーロッパリーグへの挑戦だ。主人公・潔世一は憧れのノエル・ノアがプレーするドイツを選択し、その他にも雪宮剣優、雷市陣吾、我牙丸 吟、五十嵐栗夢、音留徹平、黒名蘭世、清羅 刃、氷織 羊という曲者たちが同じくブンデスリーガに名乗りを上げた。今後の物語を盛り上げていくだろう、彼らのキャラクターをあらためて振り返っておきたい。

実はフィジカル型のイケメン・雪宮剣優

 まずはU-20日本代表戦に出場したブルーロックのメンバーで、記憶に新しい雪宮、我牙丸、氷織の3人から見ていきたい。

 雪宮は試合中にかけているゴーグルが特徴的なイケメンプレーヤーであり、三次選考のTOP6に入った実力者だ。ただ、物腰の柔らかな雰囲気と打って変わって、プレースタイルはパワー型である。フィジカルとスピードを駆使したゴリゴリのドリブルで、三次選考では凛を寄せ付けない1on1の強さを見せた。間違いなく潔の壁になり、切磋琢磨できるライバルになるだろう。

GKをアッサリ快諾した我牙丸 吟

 次にギョロっとした目が特徴的な我牙丸。奇想天外な動きを可能にする全身のバネを武器に、ストーリー序盤から目立つ活躍をしていた。しかし、全員がフォワードのブルーロック のなかで、ポジションを割り振る必要が生じたU-20日本代表戦において、絵心から「身体能力のGK適正数値でトップを叩き出した」と評価され、ゴールを守ることに。

 エゴイストだらけのメンバーのこと、他のキャラクターであれば発狂するかもしれないオーダーだったが、我牙丸は「そーゆー基準ね うっしゃ」とアッサリ快諾。そうして挑んだU-20日本代表戦では、本職のGK顔負けのプレーと、逆立ちブロックというアクロバットも見せており、GKとしても才能が開花しつつある。ヨーロッパリーグ編でも成長が楽しみな選手のひとりだ。

京都弁のプレーメーカー・氷織 羊

 京都弁が印象的な氷織は、潔ともっとも絡みそうなキャラクターだ。三次選考で潔と初めてチームメイトになり、抜群のパスセンスと視野の広さで、攻撃の起点となった。

 また、三次選考時では、作中最強クラスの糸師凛、士道龍聖のプレーに追いつけず苦悩する潔に、「頭で考えてから動いてたら遅いで」とアドバイスし、FLOW状態(いわゆる"ゾーン”に近い概念)に入るキッカケを作る。三次選考後の反省会の際には、FLOW状態の全容をイマイチわかっていない潔に、「ぷよぷよ」や「テトリス」などの落ちゲーに例えてわかりやすく説明するなど、プレー以外の活躍も見ものである。

ツンデレで守備力も高い、雷市陣吾

 U-20日本代表戦のスタメンには名を連ねなかったが、潔とは物語の序盤からの付き合いとなった雷市。当初は潔を目の敵にして、見下すようなポジションを取っていたが、その成長を目の当たりにして、徐々に粗暴な態度も改善していった。

 シュートセンスが非常に高く、“セクシーフットボール”を標榜しているが、一次選考の最終戦では、相手チームの司令塔だった御影玲王をマークして得点力を奪うなど、守備力の高さも見せた。さらには、「お前はあの天才くん(※コンビを組んできた天才・凪 誠士郎)がいなきゃ ただの優秀な器用貧乏くんだ!」と挑発してファールを誘うなど、その負けん気の強さで、過酷なヨーロッパリーグに適応していくかもしれない。

関連記事