なにわ男子・道枝駿佑は漫画『消えた初恋』青木のキャラをどう膨らませた? 独自のアプローチを紐解く

 ひねくれ渡とアルコによる漫画『消えた初恋』を原作としたドラマ『消えた初恋』(テレビ朝日系)の第8話が、11月27日に放送された。Snow Man・目黒蓮となにわ男子・道枝駿佑がキャラクターを見事に演じており、原作の再現率が高い。一方で、細かな部分を見ていくとドラマオリジナルのシチュエーションも少なくない。そしてオリジナル要素が加わることで、より「井田らしさ」、「青木らしさ」が表されているはずだ。本稿では、原作をもとに道枝駿佑がキャラクターを膨らませて築き上げた「ドラマオリジナルシチュエーションから見える青木らしさ」をテーマにこれまでを振り返ってみたい。

 ドラマオリジナルのシチュエーションを振り返ると、いずれも青木の憎めない部分と可愛らしさが際立つ場面になっている。例えば、原作では北海道への修学旅行となっていた林間学校。原作ではスパルタスキー合宿が行なわれ、うまく滑れない青木は四苦八苦している。それはそれでクスリと笑ってしまう彼の可愛らしさがあったが、林間学校では視聴者の“保護欲”をさらに掻き立てる姿を見せていた。例えば、食材を全部手にするとビーフカレーが出来上がると気付いて心を躍らせていたり、山の中をオリエンテーリングしている最中に異様に虫を怖がったり、ほぼ食材を獲得することができなかったことを橋下さんとお互い謝りあったり……。ストーリーの最後には井田から「忘れ物ねぇか?」と心配されているシーンもあった。

 第6話の練習試合でもそうだ。原作では偶然にも青木と井田が他校との合コンに行くという設定だったが、ドラマでは井田が所属するバレー部の練習試合というシチュエーションだ。いずれもライバルになりそうな女子高生が登場して青木はヤキモキするのだが、ドラマでは青木のキュートな部分がより際立っていたように感じる。ライバルかもしれない相手校の美人マネージャーを偵察するために、井田に内緒でこっそり練習試合を見に行く青木。体育館のギャラリーに身を隠しながらオペラグラスで観察をするが、もちろんすぐに見つかって逃げてしまう。「青木?」と井田から声をかけられるも「あれ? 井田じゃん。何してんの?」ととぼけてみたり、「応援しに来てくれたのか?」と言われれば「はぁ? ちげーし!」と強がってみたり。照れ隠しなのか、「忘れもんだし! べつにお前の試合なんて興味ねぇし!」と突如ラップし始めるのも微笑ましい。ちなみにその様子を見て、笑う井田も目黒の素の反応に見えていい。気になるのに気にならない振りをする様子は、まさに初々しい高校生カップルそのものだ。

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