松木いっか新連載『日本三國』武器は「弁が立つ」こと? 新たな「国盗り物語」の幕開け

「弁が立つ」ことを武器に制覇していく

 主人公は、大和・愛媛群で司農官として農業に従事する青年・三角青輝(みすみあおてる)。軍閥が割拠する戦国時代のような未来を生きる青輝だが、そんな彼の判断基準は武力ではなく「筋の通った理論」。さらに、幼少期より図書館で文字を習得し、旧・日本の文化や知識を身につけた彼はとにかく弁が立つのだ。

 王道バトル漫画の主人公のように喧嘩が強いわけでもなく、刀剣の扱いに長けているわけでもないが、この彼の「弁が立つ」という武器は、1話から物語を大きく左右するほど強大な力を発揮する。特に1話後半で描かれる、持ち前の理論と雄弁さで平家の税吏を追い詰めるシーンは、言葉と眼差しで相手を切り裂くような鋭さと凄みが感じられる。

 妻の小紀と慎ましやかだけれど幸せな日常を送っていた青輝。けれど、そんな日常はとある出来事をきっかけに終わりを告げ、彼は自分の信念を果たすために過酷な戦いに身を投じていくこととなる。武力ではなく知力を駆使して制覇していく新たな「国盗り物語」の今後にこれからも注目したい。

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