インドネシアから届いた“桜”のイラストがプロの添削で劇的変化 ポケカ公認イラストレーターの技術に驚き

 SNSや各種アプリをはじめとするウェブサービスの拡充により、漫画やイラストを発表する場が増加している現在。YouTubeではプロの漫画家やイラストレーターの「添削動画」が人気を博しており、そのなかでも細やかなポイント解説で高い人気を誇り、常に高再生数を記録しているのが、「ポケモンカード(ポケカ)公認イラストレーター」としても活躍するさいとうなおき氏だ。

 10月31日に公開された動画「【気まぐれ添削76】固い絵の直し方。プロが解説!」では、国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの企画により、インドネシアのクリエイターから寄せられたイラストが取り上げられた。

【気まぐれ添削76】固い絵の直し方。プロが解説!

 作者はアルヤ・ガンディ(Arya Ghandi)さん。背景には「花見に行こう。」の文字とともに、満開の桜と鳥居。初めて桜を見たオリジナルキャラクターのディバ・レスタリ(Diva Lestari) が喜んでいる様子が描かれ、さいとう氏は「すごく元気で、素敵なイラストだと感じました!」と評価した。現代的で桜にマッチした色合いのヒジャブファッションと、ハツラツとした雰囲気に、思わず目が奪われる。階段の一段一段にも手を抜かずしっかり描き込み、木々の影まで丁寧に表現するなど、絵から伝わる観察眼と情熱があり、さいとう氏はあらためて「絶対に絵が上手くなる人」と太鼓判を押していた。

 このように、すでにとても上手なイラストに見えるが、アルヤさんは「どうしたらもっと固くなく、より自然に見えるのか」という課題を抱えているという。さいとう氏は、「この絵は階段、鳥居、フェンスなど、直線で描かれるモチーフが多く、そもそも柔らかく描くのが難しい」「アルヤさんの長所である、きちんと描き込むことが、一方で固さにつながっている」としつつ、プロの目線で添削していく。

 詳しくは動画を確認していただきたいところだが、まずさいとう氏は、背景に描かれていた階段を画面いっぱいに伸ばし、地面に立っていたキャラクターを階段に立たせた。これは、安定した地面でなく、あえて不安定な場所に元気なキャラクターを置くことで、ハツラツとしたイメージを強調する意図があるという。なるほど、こちらの方が、初めて桜を見たキャラクターのはしゃぎっぷりが、グッと深く伝わってくる。

 また背景の鳥居も、直線的だったところに曲線を取り入れ、完全に垂直に建っていた柱をやや八の字に開かせるなど、微調整していく。きれいな直線が多いと、どうしても絵が全体として固く見えるため、曲線や傾きをうまく取り入れることが、ステップアップのためのポイントになりそうだ。

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