『アイシールド21』蛭魔妖一はなぜカッコいいのか 他校選手とのエピソードから考察
キッドにデータを見せる蛭魔
また、西部ワイルドガンマンズの中心人物・武者小路紫苑ことキッドとのエピソードも捨てがたい。
これまで多くのクォーターバックを負傷に追い込んできた峨王力哉を擁する白秋ダイナソーズ戦を控える西部。試合前、キッドに白秋戦のこれまでの戦いぶりをまとめたビデオを見せる蛭魔。キッドは「まあ…うちが勝つにせよ負けるにせよ いろいろ試させて 様子を探る人柱って事かな…」と口にし、蛭魔も「ケケケ察しが早え」と応じる――。
表面的に見れば、キッドの言う通り、峨王対策を考案するために、西部を実験台にしようと目論んでいるように感じる。ただ、後に蛭魔は関東大会がどのように組み合わせになっても、峨王にクォーターバックが潰され、どっちみち決勝のカードは泥門vs白秋になっていたと話している。つまり、蛭魔はこの時すでに西部の負け、つまりはキッドが破壊されることを予期していた可能性が高い。
キッドの身を案じて、少しでも怪我のリスクを減らしたかったのか、試合を辞退してほしかったのか、他のエピソードと違ってその真意はわからない。なんにせよ、相手選手だけでなく、読者の心もかき乱す蛭魔は本当にカッコ良すぎる。
ここまで読んでいただいて、「阿含の話抜きで蛭魔語んな」と思った人も多そうだが、阿含と蛭魔のエピソードを語るには文字数がもっと必要になるため、今回は除外した。機会があれば、阿含を軸にした記事もお届けしたい。