ルパン三世はなぜ「フィアット500」を愛車としたのか 街から街へ……神出鬼没の大泥棒の車事情

 半世紀ほど前から両車は“お洒落な車”のイメージが定着していたのだろう。怪盗アルセーヌ・ルパンの孫として世界を股に掛ける大泥棒ルパン三世。世界の名だたる名車に乗ってきた彼は、なぜ「フィアット500」を選び続けたのだろうか。

 あくまで想像だが、「フィアット500」は街中で目立たずに移動ができるからではないだろうか。日本であれば“外車”のフィアットだが、ルパン一味の活動範囲は海外が多いため大衆にまぎれて街から街へ移動することが可能だろう。

 いざ仕事となると崖を登ったり、階段を駆け降りたり、まるで動物のように駆け抜ける「フィアット500」。アニメを見ていても通常では考えられない挙動をするが、逆にケレン味が利いていて物語に没頭できる。

 ちなみに、そんな魅力が詰まっている「フィアット500」は、現在も新車で購入することができる。ラインアップは「1.2 ポップ」(200万円)、「ツインエア ポップ」(241万円)、「ツインエア ラウンジ」(276万円)の3グレードである。エンジンは圧縮比などをあげることで100キロまで12.9秒、最高時速160キロ、19.4km/Lと、大きく性能が向上している。

 「フィアット500」の特徴である2気筒エンジンは、「ドコドコ」とテンポの良い振動とどこか懐かしいエンジン音が心地よく感じられる。さらに内外装共に唯一無二のキャラクターであるため、見た目が気に入ったという理由で購入しても、ユーザーをがっかりさせることはないだろう。

 手が出しやすい価格で500に乗りたいというユーザーは1.2 Pop、2気筒エンジンを楽しみたいならツインエア、ルパンのようにルーフを開けて乗りたいなら500Cというように、それぞれのこだわりに合わせて楽しめるのだ。

 ルパン三世TVシリーズの第1話は、F1レースのシーンから始まる。ルパンとクルマは切っても切れない関係にあるのだ。日本ではマイナーな存在だったイタリアの大衆車がここまで有名になったのも、アニメーターの大塚氏、原作者のモンキー・パンチ氏の車への深い思いがあったからではないだろうか。

 10月から放送が予定されている新シーズンでも、これまで受け継がれてきた製作陣の粋な計らいに注目したい。

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