『ONE PIECE』今こそリアルタイムで読むべき理由とは? ワンピース研究家が振り返る、100巻到達の光景

 『ONE PIECE』のコミックス100巻が9月3日に発売されて以降、同作への注目がさらに増している。発売当日には朝日新聞・読売新聞・毎日新聞の三紙に広告が掲載されたほか、全国書店やコンビニには特設コーナーが設けられ、テレビCMも打たれた。YouTubeでは『ONE PIECE』読者を主人公とした蜷川実花監督による記念映像作品『WE ARE ONE』が公開されて話題を呼び、9月17日からは東京都港区のウォーターズ竹芝に“大海賊百景”と銘打たれた巨大なコンテナアートが展示されるなど、作者の尾田栄一郎氏の言う“100巻パーリー”は今なお大きな盛り上がりを見せている。

 まさに“国民的漫画”と称されるにふさわしい一連のキャンペーンを、ファンたちはどう受け止めたのか。ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞いた。

「2021年1月に第1000話『麦わらのルフィ』が発表された際、ファンたちの間で大いに盛り上がったため、今回も同じように盛り上がるのかなと期待していましたが、“100巻パーリー”はさらに期待を上回る盛り上がりで、大きな節目を感じました。ONE PIECEは原作が面白いのはもちろん、ファンと並走しながらその歴史を刻んでいる感覚があります。ONE PIECEが好きでよかったですし、その読者でいられることはとても幸運なことだと改めて思いました。

 記念映像作品の『WE ARE ONE』では、アニメでルフィの声を担当している声優の田中真弓さんが登場したり、ただいま大注目のキャラクターであるヤマトの声優を早見沙織さんが担当することが発表されたりと、サプライズもありました。また、新聞広告で尾田先生の『物語は終盤です。』とのコメントが発表されたことには、寂しさを感じつつも、尾田先生の決意を受け入れて、最後までこの物語を見届けようという気持ちを新たにしました」

 そんな神木氏も、100巻を記念した企画を自ら開催したという。自身のYouTubeチャンネル「スーパーカミキカンデ」では、『ONE PIECE』に出てくる「ドン!!」の数をすべて数える生配信を行ったそうだ。

【ぶっ通し15時間】ワンピース100巻分の「ドン!」全部でいくつ?【ダイジェスト】

「生配信で『ドン!!』を数える企画は、結局15時間もかかってしまいました。100巻を祝おうとするファンは多くて、Twitterでは発売の10日前くらいからいろんな絵師さんがイラストをアップしていましたし、ワンピにちなんだ写真を記念画像化する『MY ONE PIECE EPISODE GENERATOR』で投稿する方もたくさんいました」

 『ONE PIECE』が数多くの熱心な読者たちに支えられてきたことが、改めて伺えるエピソードといえよう。一方、「少年ジャンプ+」の90巻無料キャンペーンなどで、同作を読み直し、ようやく最新話まで追いついたという読者も少なくないだろう。神木氏も、今は同作の最新話に追いつく絶好のチャンスだと言う。

関連記事