メガネも蝶ネクタイも……『名探偵コナン』一度は使ってみたい阿笠博士の発明品

犯人追跡メガネ

青山剛昌『名探偵コナン』35巻(小学館)

 コナンがその姿を隠すために身に付けているメガネも博士の発明によるものだ。初めて登場した第2巻収録の「行方不明の男」時には半径20km以内の発信機の行方を追うことができる。また少年探偵団のメンバーが所持しているDBバッチの行方も追うことができ、さらに弦の部分を外せば盗聴器としても活用できる。

 スケボー同様、こちらも劇場版アニメでの活躍が顕著で、何度か改修されている。劇場版アニメでの改修設定が原作に持ち込まれることもあり、右レンズの望遠機能は元々原作にはない劇場版アニメから追加された機能を原作に逆輸入している。メガネとは思えないほど機能がてんこ盛りになった一品だ。

 コナンであればともかく、我々には日常生活で犯人を追う機会はそうそうないので、このメガネを使うとすれば趣味的な用途になるかもしれない。例えばこのメガネを使用した20kmを範囲とした大規模な鬼ごっこをしてみたら面白そうだ。鬼はメガネを装備し、逃げ手はDBバッチを持った状態で逃げる。常に鬼は逃げ手の居場所が分かる状態だが、逃げ手はDBバッチを使用して逃げ手同士で連携を取る事も、裏切ることも可能。戦略性がより試される鬼ごっこになりそうで夢が膨らむ。

 この犯人追跡メガネは左レンズがモニターになっているのだが、こうして人間の視野に情報を映し出す技術はヘッドアップディスプレイとして、近年では車のフロントガラスにも実際に活用されている。またGoogle Glassと呼ばれる犯人追跡メガネのようなスマートグラスが、長年のトライ&エラーを乗り越えて、この夏より工業や製造業を想定したビジネス向け製品として販売されている。もう少し社会的な問題がクリアになったら、我々もコナンのようにメガネから情報を得ることができるようになるかもしれない。

 今回は3つ、「あったらいいな」と思う阿笠博士の発明品を振り返ってみた。中には実用化された発明品もある。ぜひ機会があれば手にとって、コナンの世界に想いを馳せてみるのも一興だ。あなたはどの発明品が気になる?

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