100巻はもはや通過点? 結末は知りたいけれど、終わってほしくない長期連載漫画をピックアップ

美内すずえ『ガラスの仮面』

 1976年から「花とゆめ』で連載されている『ガラスの仮面』は2012年時点で49巻までが発売されている。

 貧しい家庭で育った少女、北島マヤが演劇の才能を開花させ、大女優・月影千草やライバルの姫川亜弓とと出会い、成長していく姿を描く。アニメ化、ドラマ化もされ、何らかの形で目にしたことがあるという人は多いのではないだろうか。

 連載開始から45年経ち、2012年から新刊は出ていないが、完結させることは明言されているようなので、読者としては待つしかない。中には「死ぬまでにどうか完結してほしい」と願う人も。

ほかにもある! 長期連載漫画

 ごく一部しか紹介できていないが、他にも長期連載漫画は多数ある。1968年(昭和43年)から連載がスタートし「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されている『ゴルゴ13』(201巻)を始め、『ミナミの帝王』(162巻)、『クッキングパパ』(158巻)、『はじめの一歩』(131巻)、『パタリロ!』(103巻)。1983年に連載がスタートした『課長島耕作』は、『島耕作シリーズ』として社長、会長を経て、現在も『相談役島耕作』が「週刊モーニング」で連載されている。

 また、連載はストップしているが、続きが切望されている作品も。2000年からCookieで連載されていた『NANA』は、作者である矢沢あい療養のため2009年でストップしている。Twitterで「連載再開」がトレンドに入ると、セットで必ず目にするのが冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』だ。1998年から連載がスタートし、「少年ジャンプ」内では『ONE PIECE』に継ぐ長期連載だが、たびたびの休載のあと、2018年11月から約3年近く休載となっている。これらの作品も、もちろん著者の体調が最優先だが、結末まで読みたい作品だ。

 長期連載となる作品にはたくさんの魅力がある。物語の緻密さ、魅力的なキャラクター、何度読んでも新しい発見があること、さりげなく反映された世相。何より、ひとつの作品を描き続けられる作者本人のパワーと物語構成。『ゴルゴ13』は連載開始から52年目を迎えるまで、一度も休載がなかったというから驚きである。

 長く続く作品が終わるのは寂しい。しかし、結末を知らされないのもつらい。最終回が訪れるのは読者としては複雑な心持ちだが、その結末を楽しみながらも、心して待ちたい。

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