『東京卍リベンジャーズ』半間修二とは何者なのか? “歌舞伎町の死神”の不気味な存在感

【本稿は『東京卍リベンジャーズ』のネタバレを含みます】

 7月9日に公開されるやいなや大きな話題となり、観客動員数240万人、興行収入32億円を突破した実写映画『東京リベンジャーズ』。邦画実写映画の中でもトップクラスの人気となっており、それに伴い原作コミックの人気もとどまるところを知らない。多くの魅力的なキャラが登場することも同作の人気の秘密だが、その中で最大のキーマンとも言われているのが、半間修二だ。

 実写映画で清水尋也が演じていた半間は、徹頭徹尾、主人公・花垣武道の敵というポジション。黒幕と言われていた稀咲鉄太と常に行動を共にしていた、左手に「罪」、右手に「罰」というタトゥーを入れている、「ダリィ…」が口癖の背の高いのアイツである。半間は稀咲の“刀”として、「愛美愛主」総長代理、「芭流覇羅」初代副総長、「東京卍會」陸番隊隊長、「天竺」幹部と各グループの主要ポジションを担い、抗争に混沌をもたらしてきた。

 稀咲とタッグを組む前は新宿を縄張りとしており、「歌舞伎町の死神」として周りから恐れられている存在だった半間。だが、“刀”を探していた稀咲に見初められ「オレの駒になれ」とスカウトされる。半間も稀咲の在り方に面白みを感じ、以後常に右腕のような存在として暗躍しているというわけだ。

 そんな半間をひと言で言い表すならば、「気味が悪い存在」ではないだろうか。稀咲にも気味が悪い部分があったが、「頭が切れすぎるが故に何をされるか分からない気味悪さ」であった。だが、半間は考えが一切読めない。ドラケンやマイキーと対等と言っても過言ではない強さを使って、楽しそうに敵を容赦なくボコボコにしたり。稀咲から使い物にならなかったら交換すると言われても、「オマエといるとよぉ世界に色がつくんだ。サーカスみてぇーにさ」と飄々と言ってのけたり。人間らしさをあまり感じることができない、圧倒的不気味さがある。その反面、次は何をするのか、誰の下に付くのか、とストーリーのスパイス的存在にもなっていることは否めない。

 そんな半間だが、稀咲が死亡した時に「派手に逝ったなぁ」と言いながら泣いていたのは、かすかな人間味が感じられる部分。稀咲が死んで涙した時にどんな感情だったのかは定かではないが、後に稀咲の墓の前にビールを持って現れ、「“死神と道化”について」語るシーンを見ると稀咲に対しては多少なりとも好意のようなものがあったのではないだろうか。

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