庶民の味方「チャーハンライス」とは? 『こち亀』両津が披露した“食の流儀”
東京都台東区千束生まれの下町っ子、両津勘吉。言動や行動は独特なものがあり、唯一無二の存在だが、彼の食べる料理にも「両津らしさ」が溢れ出ている。
今回は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』内で登場した両津らしさが出た食べ物を検証してみたい。
かれいライス
両津が店主と喧嘩になった寿司屋「大尽寿司」で食べたのが、かれいライスだ。店主に嫌がらせをするため、両津は小汚い格好で店に入るなり、「カレーライス大盛りね」と注文する。
後に引けない店主は、ご飯の上に魚のかれいが乗せられた「かれいライス」を出す。両津は「これがカレーライスか?」と驚くが、店主から意趣返しで「そう、この店のかれいライスの大盛り」と言われると、「こりゃうまそうだな」と青ざめた表情を浮かべる。
店主から「うちのかれいライスを頼むなんて通ですね、江戸っ子でしょう」とふっかけられた両津は「おう、江戸っ子はこいつに目がねえんだ、うまい!」と声を絞り出した。(47巻)
かれいを豪快に乗せたかれいライス。少々風変わりではあるが、魚とご飯の取り合わせは絶妙で、漫画を見て試した人からは「意外と美味しい」という声も出ていた。
両津式コロッケ
下町料理評論家の多部田多部五郎が下町料理を批評することに憤り、蹴りを入れた両津。下町風の食べ方として、コロッケの食べ方を紹介する。
その食べ方とは皿に載せたコロッケを箸で潰して約1.5倍に伸ばし、ソースをどっぷりとコロッケが浸かるほど目いっぱいかけ、それをもんじゃ焼きのように少しずつとって食べるというものだった。
両津はこの食べ方について、「これでご飯と一緒に食べると味が濃いからコロッケ1つでご飯を2杯食べられる。このように下町の食事は非常に合理的になっているのだ」と胸を張った。(50巻)
この両津式コロッケは読者から好評で、ネット上でも「やってみた」「激ウマ」という報告が多数寄せられている。
チャーハンライス
ブルジョアで食事の金額をあまり気にしないと話す中川圭一と秋本麗子。両津は激怒しキャッシュカードを取り上げると、「まず中川の食生活を改善する。ワシの食生活を見習え」と叫ぶ。
そんな両津が提案した料理が、チャーハンライス。大盛りのライスとチャーハンを混ぜて、2倍にして食べるのだという。中川は「チャーハンを2個取ればいいじゃないですか」と指摘するが、「値段が違うんだよ」「庶民は10円20円の計算をしているんだぞ」と激怒した。
チャーハンにご飯を混ぜて2倍にするという発想。賛否両論ではあるが、「安く腹いっぱい食べる」方法として、一理あると感じる読者もいたようだ。