そして「人を信じられる強さ」を持っていることも、千冬を魅力的に見せているはずだ。千冬は決して力のある者に屈するわけでもなく、太鼓持ちでもない。実際、武道は腕っぷしはすこぶる弱く、「血のハロウィン」でも「東京卍會」のメンバーに成りたてであった。だが、武道が信頼できる人間だとわかると「相棒」と呼んだり、壱番隊隊長に任命したりしている。場地への思いもそうだが、自分が信じた人のために徹底的に尽くす人物なのだ。武道が壱番隊隊長に任命された後の現代で、稀咲鉄太に銃殺される直前にも武道を庇い、「東卍を頼むぞ　相棒」と命をかけてまで武道を信じ通していた。こうした真っ直ぐさも読者の心をガッチリ掴んだ要因の一つだろう。

　さらにプラスαの要因として、ビジュアルの良さも挙げておきたい。Twitterをチェックすると「千冬がかっこいい」、「千冬がかっこいいしかわいい」、「千冬イケメンすぎる」というつぶやきがかなり多く見られる。女性はもちろんだが、男性にも同様の声が見られ「髪型を真似したい」という旨のツイートもあるほどだ。老若男女に好かれるビジュアルは、人気キャラの必須条件。千冬もそれを満たしていると言えよう。

　7月18日放送のアニメでは、やっと千冬が登場した。まだひと言も言葉を発してはいないが、この先アニメに本格的に登場することでさらに千冬人気が上がっていくはずだ。画面の中を動く彼がこの先見せる勇姿を、原作と合わせてしっかりと見届けていきたい。