新一×蘭だけじゃない! ラブコメとして楽しむ『名探偵コナン』

高木渉×佐藤美和子

『名探偵コナンコレクション 高木渉&佐藤美和子 My First Big』(小学館)

 警察関係者というサブキャラ的存在ながら、メインキャラクターに匹敵する人気を持つカップルがこの高木×佐藤ペア。目暮警部の部下として事件の捜査に当たる高木とその上司の佐藤。

 最初こそ高木は頼りないキャラクターだったが、佐藤の父が殉職した事件(27巻収録「本庁の刑事恋物語3」)、そして佐藤が想いを寄せていた松田陣平が殉職した事件と同一犯が起こした事件(36〜37巻収録「揺れる警視庁 1200万人の人質」)を佐藤と共に解決したことをキッカケにふたりの距離は急速に接近。警視庁内の沢山の佐藤ファンに邪魔されながら(40巻収録「本庁の刑事恋物語5」ほか)も順調に愛を育み、76〜77巻の「命を賭けた恋愛中継」では警視庁の刑事たちが見守る中、動画越しではあるものの堂々とキスをするふたりが描かれる。ふたりの結婚もいつか描かれるかも……?

毛利小五郎×妃英理

『名探偵コナンコレクション 毛利小五郎&妃英理 My First Big』(小学館)

 若い世代だけでなく、親世代の恋模様も描かれる『コナン』。蘭の両親である小五郎と英理は別居中。そのせいもあり会う度に悪口を言い合っている。しかし、17巻の「スキューバダイビング殺人事件」では英理が砂浜で指輪を紛失したことを察知した小五郎が誰にも言わず英理の指輪を探し出したり、逆に27巻の「容疑者・毛利小五郎」では殺人の容疑をかけられた小五郎の無実が英理の推理によって証明されたりと、お互いにピンチの時は必ず手を差し伸べる想いやりを感じる。

 特に近年のエピソード、単行本93巻収録の「妃弁護士SOS」では、ビルに監禁された英理を雨どいのパイプをよじ登って小五郎が救出するという離れ業を披露。

“バーカ…英理の裸を見ていいのは…この世で唯一…俺だけだ!”

 その際に犯人に向けて放ったこの一言は、普段の小五郎からは想像もつかないほどの気迫。思わず読者もそのギャップにキュンとしたことだろう。

 他にも白鳥警部とコナン達の担任を務める小林先生という異業種カップルや、千葉刑事と交通課の三池のこちらも幼馴染カップル、さらには同じく交通課の宮本由美とプロ棋士の羽田秀吉など、『コナン』で描かれるカップルの数は他の探偵もの漫画に類を見ないほど多い。そしてどのカップルにも様々なストーリーがあり、まさに「殺人ラブコメ」と作者が称する理由がここにある。読んでいて思わず「こんな恋愛してみたい」と憧れてしまうようなエピソードが満載だ。あなたはどのカップルに一番憧れる?

■ふじもと
1994年生まれ、愛知県在住のカルチャーライター。ブログ「Hello,CULTURE」で音楽を中心とした様々なカルチャーについて執筆。Real Soundにも寄稿。

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