『シティーハンター』冴羽獠を困らせた女性たちの依頼とは? 忘れられないエピソード4選

冬野葉子

『シティハンター(16)』

 シティーハンターを取材し、世にその存在を知らしめたいと奮闘するカメラマンの葉子。葉子が不良に絡まれているところを救った際、顔を見られた冴羽は「こりゃあ弁解のしようがないな。仕方ないな。そうですよ、僕があなたの探しているシティーハンター冴羽獠」と告げる。

 ところが葉子はその告白を信じようとしない。そして「シティーハンターの顔を知っている」として、冴羽をアシスタントに起用する。葉子は冴羽を連れて聞き込みに出かけるが、後ろで睨まれた人物たちは、顔を見るとすぐ逃げていった。

 冴羽は「双子の弟・冴羽獠二」と名乗り遠ざけようとするが、葉子は家に泊まり込むなど取材を一向にやめようとしない。入浴中に窓越しから「冴羽獠」として、関わらないよう忠告し「心に決めた人がいる」と諭したが、脱ぎたての下着にモッコリが反応し、ドアにあたって倒れてしまい、失敗。さらに本業のスイーパー業にも悪影響が出て、「荒療治」を行うことにする。

 葉子は冴羽獠を追うというわがままを通したために囚われの身に。冴羽が「獠」として現れ、救出に向かうと、シティーハンターの存在を恐れた拉致犯ボスの父親が土下座をして許しを請う。葉子はシティーハンターとは住む世界が違うことを悟りカメラを置いてさろうとする。

 冴羽もかっこよく去ろうとしたが、「カメラを差し上げます」という言葉に冴羽のもっこりが反応。冴羽獠二が本物の冴羽獠であることを悟った葉子は、気絶してしまった。対処に困る冴羽と槇村香だったが、翌日目覚めると葉子はなぜか記憶を失っていた。

 翌日、冴羽と葉子はデートをして、1枚の写真を撮る。後日送られてきた写真を見て、香は「この彼女の笑顔さ、冴羽獠二に向けたものと思えないな。彼女がシティーハンターのことを話すときの笑顔だよ、これ」「ひょっとして、彼女記憶を心の奥底に沈めてくれたんじゃなくて、自分で心にしまってくれたんじゃないのかなあ」とつぶやいた。(16巻)

 冴羽獠の正体を執拗に探ろうと様々な手を尽くしてきた葉子。最も困らせた依頼者かもしれない。

個性的かつバラエティに富んだ登場人物

 女性依頼者と冴羽獠、槇村香が繰り広げる物語。その内容は笑い、涙、怒りなどバラエティに富んでいる。そんな豊富な内容が、現在も『シティーハンター』が愛される理由なのかもしれない。

 

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