『東京卍リベンジャーズ』マイキー、なぜ圧倒的なカリスマ性? 奔放な個性を探る

 喧嘩も強くて仲間思いなマイキー。だが、子どもっぽ部分を持っており、それもまた魅力の一つになっている。彼はとにかく「無邪気」だ。外食していようが食後はすぐに寝るし、お子様セットについているはずの旗が無いとダダをこねているシーンも。作品の序盤、武道の学校に乗り込んできた時もそうだ。授業中でもお構いなし。勝手に教室に入り、「遊ぼうよ タケミっち」と笑顔で言い放つ。(12年前の東京卍會では)無碍に人を傷つけることはないものの、自分がやりたいと思ったことをやる。ある種の常識が通じない奔放さを持っているが、それもまた「マイキーらしさ」の一つだ。

 そんな人格かつ、複雑な家庭環境のせいだろうか。精神的な弱さを持つというギャップもある。12年後の現代でも、何があったかは定かではないが闇落ちしてしまっており、様々な凶悪犯罪に手を染めている。

 7回目のタイムリープ後、現代で武道と再会した時も「オレの人生は苦しみだけだった」という意味深な言葉を発している。「彼がもう少し鈍感力が高いタイプだったら……」、そう考えたことがある読者は少なくないはずだ。だが、この繊細さがあるが故、マイキーという人物が浮世離れてした儚くも美しい存在になっているのではないだろうか。

 そんなマイキーを実写映画では俳優・吉沢亮が演じる。吉沢はその容姿端麗さに注目が集まりがちだが、振り返ればこれまで様々な役をやってきた。『銀魂』や『BLEACH』などの漫画の実写作品への出演も多く、『斉木楠雄のΨ難』ではコメディ、『ママレード・ボーイ』では少女漫画の王道ヒーロー、『リバーズ・エッジ』ではミステリアスな役……と、かなり幅広い。

 しかもどれもハマり役であり、様々な顔を持つマイキーを演じるのに申し分の無い俳優だろう。もちろん、見た目の再現度も申し分ない。同作の岡田翔太プロデューサーも「吉沢くん以外に、この世界でマイキーを演じられる人、いないと思うんですよ。小柄な感じで、かわいい顔をしていて、最強。最初から『マイキーは吉沢くんしかいない、断られたらこの企画自体を止めよう』と思っていました」(引用元:https://eiga.com/news/20210421/6/)と話しているほどだ。原作のマイキーの魅力を再度確認しつつ、吉沢がマイキーをどこまで表せるかを楽しみに待ちたい。

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