『SLAM DUNK』赤木、魚住、牧……上司にするなら誰? それぞれのリーダー像を考察
キャプテン。チームのリーダーであり、先頭に立って仲間をまとめる立場の人間。絶対に欠かせない、必要な存在はあるとはいえ、一概にこうあるべきという決まりはなく、誰が最適かはチームによってそれぞれだろう。チームの数だけ理想のキャプテン像があるのだ。今回は『SLAM DUNK』に登場したキャプテンを何名か取り上げ、彼らがどういったキャプテンであるかをタイプ分けし、比較、考察しつつ、理想の上司になれるのは誰なのか、探っていこうと思う。
魚住は後輩に好かれるタイプ?
赤木剛憲(湘北)……求道者タイプ
バスケを愛し、バスケに身も心も捧げ、殉じている赤木はさながら求道者のようだ。ほかのどのチームメイトよりも深いバスケ愛、バスケに対する真摯な思いで周りの人間を引っ張っていく。それゆえに目指す道が同じ人間が多いチームではうまくいくが、そうでないと、あまりのストイックさについていくのが困難なゆえに、人を選ぶリーダーであると言える。
作中でも描かれていることであるが、素行の良し悪しはさておき、バスケに対する思いを共にできる仲間とようやく知り合えた赤木は、そこで初めて彼の持つキャプテンとしての資質を開花できたと言えるだろう。
魚住純(陵南)……縁の下の力持ちタイプ
強豪陵南を支えるキャプテン、ビッグ・ジュンはセンスよりも努力でのし上がってきたタイプ。自分が凡人だとわかっているからこそ、努力を惜しまないし、天才に嫉妬することもない。ほかのメンバーが力を存分に発揮できるように、その礎となるべくチームの土台を支えるタイプ。
”努力”というのがベースにある以上、ほかのメンバーからセンスのなさを蔑まされたり軽んじられることもない。後輩からは頼りにされるタイプなのではないだろうか?
藤真健司(翔陽)……ハイスペックタイプ
翔陽の主将兼監督である藤真。その肩書きが示すとおりの有能ぶり(おまけにイケメン)には、神が一人の人間に多くの才能を与えすぎていて嫉妬を覚えるレベルである。特筆すべきはこの年でプレーヤーとマネージャーの役割を理解して、それぞれで求められるタスクを完璧にこなしていること。
その頭の良さと実行能力、それにイケメンが加わったら、バスケをしなくても社会でいちばん成功できるタイプかもしれない。同性からはやっかみの目で見られそうだが……。
牧紳一(海南)……オスとして強いタイプ
海南の象徴・牧は恵まれた身体能力に技術とセンスを備え、努力を惜しまずメンタル的の強さも兼ね備えている。敵チームとのトラッシュトークでも会話術は高く、オンオフの切り替えもはっきりしている。圧倒的な人間としての余裕、器の大きさが感じられ、単純にオスとして優れているタイプの人間であるし、そのオスとしての魅力は性別を問わず人を惹きつけるものがあるだろう。
彼もまたなにをやっても成功するタイプの人間ではあるが、向上心が強い人間にとってはオスとしての人間力の差を見せつけられて、自分の限界を否応なしにつきつけられる現実に直面させられることになりかねない。その意味では、そばにいてほしくないと思うかも。
南烈(豊玉)……ボス猿タイプ
南の場合は言うまでもなく、気性の荒い連中の中で一番強い人間が頂点に立っているタイプである。己の力を示せるうちは周りもついてくるが、いざ弱いところを見せると途端に求心力を失いがち。
ただ、南自身は根底にバスケに対するピュアな気持ちを持ち合わせているので、それを知っている人間は別の思いを抱くだろう。だが、いかんせんそういう自分を見せるのが苦手なタイプなので、その本質を知るのに周りは苦労しそうである。