『進撃の巨人』『BEASTARS』『のんのんびより』……2021年に最終巻を迎えた名作漫画を振り返る
『進撃の巨人』
そして最後に紹介するのは、多くの人に愛された『進撃の巨人』(諫山創)。2009年から別冊少年マガジンにて連載され、2021年4月に堂々の完結。たくさんのファンが最終回を見届けるべく本誌を購入したため、別マガ5月号は予想を上回る売れ行きになり、漫画誌としては異例の重版をする運びとなったのである。
人類を捕食する巨人、そしてその運命に抗っていく人間の様を描いたストーリー。簡単に言えば巨人VS人間、置かれている状況は冒頭から絶望的。巨人からの侵略から身を守るために、人類は非常に狭い土地で暮らしているのだ。
しかも人間は捕食される側、常に不利な状況ということ。その中で犠牲や代償、恐怖と戦いながら生き抜いていくのだ。それぞれのキャラクターが抱える過去、想いが読んでいく度に胸に突き刺さる。ありがちなテイストの物語ではないので、様々な作品を読み飽きた人にもオススメできるだろう。
ただのバトルものではなく、巨人と対峙し、謎を解き明かしていく細やかな伏線が多数存在しているのもまた魅力的。ややグロテスクな描写も多いが、少年誌に慣れていない人でもつい読み進めてしまう面白さがある。
エレンやアルミンを始めとしたキャラクター人気も高い。物語重視でも良し、キャラクター重視でも良し、多くの人が楽しめる漫画であることは間違いないはずだ。最終34巻は2021年6月9日発売予定なので、読んだことがない人は今のうちに触れておこう。
■たかなし亜妖
平成生まれのサブカル系ライター。ゲームシナリオライターとしての顔も持つ。得意技は飲み歩きと自炊。趣味はホラー映画鑑賞。
■書籍情報
『BEASTARS(1)』
板垣巴留 著
定価:499 円(税込)
出版社:秋田書店
『のんのんびより(1)』
あっと 著
定価:576円(税込)
出版社:KADOKAWA
『進撃の巨人(1)』
諫山創 著
定価:495円(税込)
出版社:講談社