『シティーハンター』海坊主、男性としての魅力とは? 一途でシャイな恋愛観を考察
漫画『シティーハンター』の主人公、冴羽獠と唯一対等に渡り合える力を持つスイーパーであり、同時に友でもある海坊主こと伊集院隼人。坊主頭にサングラスかけた厳しい大男である海坊主だが、実は心優しく、一途でシャイな一面を持つ。そんな彼の心優しさが出たエピソードを振り返りたい。
上官の娘、真希への想い
獠に「ヴァイオリニストの氷室真希とデートしろ」という、風変わりな依頼をした海坊主。真希の父親は海坊主が傭兵時代、命を救ってくれた上官で、「あしながおじさん」として毎月「ファルコン」の名で援助しており、身代わりでデートしろというものだった。
「モッコリ」美人とのデート依頼にノリノリの獠。しかし海坊主はつねに2人を監視し、獠が「モッコリ」したところを狙撃しようとするシーンも。また監視時には、カーネル・サンダースに扮装するおちゃめな一面も見せる。
その後、真希がスネークという人物に狙われていることが発覚。スネークが公園で真希に拳銃を発射すると、海坊主が現れ背中で受けて守る。38口径の弾丸だったが、筋肉で跳ね返してしまったのだ。真希の命は無事だったものの、図らずも真希の前に姿を現してしまった海坊主。
本名が「伊集院隼人」であることを知ったことなどから、本当の「ファルコン」が海坊主であることに気がつく真希。獠も、その気配を察知していた。
コンサート会場でスネークを退治した獠と海坊主に、真希は自らの演奏を聞かせるため、家へと招く。翌日、海坊主が部屋を訪れると、獠は部屋に現れない。真希は「冴羽さんは来ませんよ」とポツリ。
真希は獠から全てを聞いており、「伊集院さん」と声をかける。顔を真っ赤にする海坊主は「その名は止めろ、照れる」と素っ気ない態度を取りつつも真希のヴァイオリンを1人で聴き、翌日ウィーンに出発した彼女を見送った(13巻)
かつての上官に恩義を感じ、娘に金を送り、さらに敵から身を挺して守る勇気。海坊主の魅力が全て出たエピソードだった。