女優・中村ゆりか、はじめての写真集に込めた気持ち 「かわいいと思える露出に挑戦しました」
「Over the moon」
――タイトルの「Over the moon」は、幸せを意味する言葉なんですよね。
中村:「月まで飛んでいってしまいそうなくらい、とても幸せ」といった意味があるんですけど、意味よりも言葉から連想するイメージを重視しています。暗い夜に月の光が照らされることで、心がホッとするような……。寂しい気持ちを和らげる写真集にしたくて、この名前を付けました。
――写真集のイメージにぴったりですよね。どこでこの言葉を知ったんですか?
中村:コロナの自粛期間中に、寂しい気持ちに寄り添えるような、幸せな気持ちを表現する言葉を調べていて、ネットで偶然見つけたんです。月に喩えられたら素敵だなって思っていたので、まさにピッタリな言葉でした。写真集の話は前々からあがっていたので、もし写真集を作れるのならタイトルは「Over the moon」にしたいなって、このときに思い付きました。
――自粛期間だと、昨年の4~5月ですよね。そんなに前から考えていたんですね。
中村:ちょうど4月、Instagramに自分で編集した動画を投稿したんですよ。音楽にプライベートな映像を合わせただけのちょっとした動画なんですけど、まさに自粛期間だったので、寂しさを拭い去るイメージで作りました。この動画の最後に、月のイラストと一緒に「Over the moon」って言葉を使っていて、ここから誰かの心に寄り添える写真集にしたいというコンセプトが生まれた気がします。
――「気持ちに寄り添う」というのは、やはり写真を撮られる際に意識していたことなんでしょうか。
中村:そうですね。かわいいイメージの写真を撮るとき、表情を意識して作ることができますが、意識しすぎると表情が固くなってしまいます。それに、かわいいを思い浮かべて表情を作ると、バリエーションが狭まってしまうと思うんです。なので、その場で感じた気持ちに寄り添った表情を自然と出す方が、素敵な写真になるのかなって。
――それは役を演じるときも同じですか?
中村:演技をするときは映像なので、表情はあまり気にしていませんが、役に寄り添ったうえでのびのび演じることがいちばんだと考えています。とは言っても、役に入ると勝手に気が引き締まるんですけどね。ですが、泣く演技なのにどうしても泣くのが難しいとき、無理に感情を作ってしまうと、違和感が生まれてしまいます。やはり、作品を見てくださっている方に自然と役を見ていただきたいので、オンオフをしっかりコントロールして、役と向き合い続ける姿勢が大切だと思います。
――では、最後に写真集の見所を教えてください。
中村:寂しい気持ちに寄り添えるあたたかい写真集になっていると思います。毎日お仕事を頑張っている方の疲れを少しでも和らげられたら、写真集を開いてホッと息抜きしてもらえたら、嬉しいですね。コロコロ雰囲気を変えて撮影したので、ドラマで私のことを知ってくださった方でも、こんな一面があるんだと楽しく見ていただけたらと思います。
■書籍情報
中村ゆりか 1st写真集『Over the moon』
著者:中村ゆりか
撮影:中村和孝
出版社:SDP
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