ポルシェを歯で支え、月を開拓し、新種の抗体を持つ男……「こち亀」両津勘吉が見せた“異次元の強さ”
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の最大の魅力といわれるのが、両津勘吉の人類を超越したハチャメチャな強さだ。
作中、人間とは思えない振る舞いで読者を驚かせてきた両津。今回はそんな驚きのエピソードを見てみよう。
ポルシェを歯で支える
ダイヤや高級時計を扱うクレーンゲームで20万円分の商品をゲットした両津。それを見た中川が、テレビ局の知り合いがクレーンゲームの番組を行う予定だと紹介。2人はフリーターチームとして参加する。
そのクレーンゲームはクレーンの先に人間がくくりつけられ、商品を掴み取るというもの。欲深い両津が挑むと、真っ先に高価なポルシェへと向かい、車の前方部分をバカ力で持ち上げた。
「ゴールすればトップ間違いなし」と実況がアナウンスすると、「馬鹿野郎。これからが本番だ」と両津。本領発揮とばかりに、ビデオカメラを首にありったけくくりつけ、時計と電子手帳をポケットに入れ、股にビデオデッキ、さらに足の指にカメラを5台くくりつける。
「両手が使えればもっといっぱい持てるんだが」とつぶやく両津は、なんと口でポルシェの前方部分を噛み、歯で重みをすべて受け止め持ち上げる。実況は「凄いパワーだ、考えられません」と驚いた。
結局両津は1672万円分の商品をゲット。その様子をテレビで見ていた部長は「欲の塊だからな、こういうのには強い」と呆れたように話した。(73巻)
自らの欲のためポルシェの重みを歯で受けた両津。人間とは思えないさすがのパワーを見せつけた。
シニア世代とサバイバルゲーム
趣味のサバイバルゲームに挑むことになった両津は、対戦場で銃など兵器に詳しいおばあちゃんを見かける。数日後、両津の参加するサバイバルゲームチームの2軍が、おばあちゃんが参加するシニアチームに負けたことを告げられ、1軍に挑戦状が届いたことが告げられた。
対戦場に着くと、実践用に兵器を軽量化したシニアチームの姿。両津は「不気味なチームだ……」と、恐れる。そして銃の試し撃ちを正確に行う様子を見て驚くと、本田から「本物の元軍人が10人いるらしいぞ」と報告が入り、チームのメンバーは恐れおののいてしまう。
ゲリラ戦を得意とし、補聴器に見せかけたインカムで連絡を取り合うシニアチーム。両津もサーモグラフィーなど最新機器で対抗するが、それでも動きが読まれていた。ここで勘の良い両津は内通者の存在を疑う。すると銀行員の横田が、相手のなかにいるお得意様には逆らえないと、動きをバラしていたと自供した。
その後、「かあさんの歌」など、情に訴えかける音楽などを流し、両津チームを追い込んでいくシニアチーム。ここで両津は孫の声が入ったテープを流し反撃。なんとか巻き返しに成功し、両津チームが勝利した。(109巻)
元軍人が入ったシニアチームとの頭脳戦だったが、両津の機転が冴え渡った。窮地で発揮される動物的な勘は、人間離れしている。