『東京喰種』金木研は死にたくて仕方がない? 悲しきヒーローの苦悩と成長

金木の考えは少年漫画の王道なのか?

 大切な人を守るというのは少年漫画の王道とも言える。ただ、金木の場合は少し違うように感じられる。しかし、「大切な人を守るためなら死んでもいい」ではなく、金木からは「いつ死んでもいい」という気持ちが見え隠れしているように思う。「誰かの力になりたい」と心の奥底で思っている一方で「自分が誰かの力になれるはずがない」と諦めているようにも。

 そんな金木だから、周りの人間も放っておけない。助けようとするが、金木はひとりで走り出してしまう。あんていく」の危機に金木は必死の攻防を見せるが、「みんなを守る」ことはできずに敗れる。「少し…休もう…」という言葉を残して。

 『東京喰種トーキョーグール』で果たして金木に救いはあったのか。ひたすら傷つき、死にたくても死ねない。ただ、金木が自己と向き合い続ける物語だった。休んだ先に何があるのか。物語は、『Re:』へと続く。

(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))

■書籍情報
『東京喰種トーキョーグール』(ヤングジャンプコミックス)
著者:石田スイ
出版社:集英社
公式サイト

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