カツオマヨ、ソーライス、バター醤油まぶしご飯……『美味しんぼ』庶民的メニュー、本当に美味しいのは?
目玉焼き丼
目玉焼きを研究する快楽亭ブラックに、「新しい食べ方」を教えると告げた山岡は、早速社員食堂へ向かう。
そして「サニーサイドアップ」で焼き、白身が固まり黄身が半熟になるまで待つ。さらに丼は、予めお湯につけて温めておく徹底ぶり。温めた丼に炊きたての熱いご飯をよそい、焼き上がった目玉焼きをフライパンから直接御飯の上に乗せた。
ブラックはこの目玉焼きの黄身を箸で潰し、白身に広げてから醤油をかけ、ご飯と一緒にかきこみ、「バカうま」「味も思いもよらずこってりしている」とその味を大絶賛。山岡は美味しさの秘密について、「黄身に熱が加わって味が濃くなったから」と説明する。栗田も「丼の容器も、ご飯も、目玉焼きもとにかく熱々であることが大事なのね」と評した。(美味しんぼ18巻)
変哲がないと見せかけて、じつは細かな工夫が凝らされている目玉焼き丼。ポイントは、お湯で温めた丼で、栗田が指摘した3つの熱が相乗効果を生み、少々味が濃くなった印象を受けた。黄身とご飯、そして醤油がマッチした味は、じつに美味。手間をかけるだけの価値あった。
好奇心を刺激する庶民的な料理も魅力
高級料理だけではなく、庶民でも真似することが可能な料理を取り上げている『美味しんぼ』。読者の好奇心を刺激する料理が出てくることも、長年愛された要因なのかもしれない。