『鬼滅の刃』無惨を追い詰めた鬼殺隊の「武器」とは? 22巻ネタバレ徹底解説

 10月16日にアニメ映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の公開を控える、吾峠呼世晴の『鬼滅の刃』(集英社)。大正時代を舞台にした本作は、鬼に家族を殺され、鬼になってしまった妹の禰豆子を救うために鬼殺隊の剣士として戦う竈門炭治郎の活躍を描いた漫画である。

「特別読切」が掲載された『週刊少年ジャンプ』第44号

 昨年のアニメ化によって人気が一気に盛り上がった本作だが、映画公開に合わせてフジテレビの土曜プライム枠(夜9時放送)ではアニメスペシャルを2週連続で放送し、深夜枠でも一挙放送がスタート。もともと、アニプレックス制作で、TOKYO MX等で放送されていたアニメ版が、フジテレビで再放送されるということは、大ヒットしていることの証明だろう。

 先週(第44号)の『週刊少年ジャンプ』では、煉獄杏寿郎を主人公にした吾峠による「特別読切」が掲載。45~46号でも平野稜二による『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎外伝』が掲載される。そして10月2日に発売された第22巻では、ついにシリーズ累計発行部数は1億部突破(電子書籍含む)。連載が終わっても、日々、その勢いは加熱している。

以下ネタバレあり。

 第22巻では、前巻に続き、鬼たちの頂点に君臨する鬼舞辻無惨と、炭治郎たち鬼殺隊の最後の戦いが描かれる。

 無惨を地上に排出することに成功した鬼殺隊。夜明けまで1時間14分。市街地に足止めしたまま夜が明ければ、太陽の光によって無惨を倒すことができる。しかし、無惨の力は圧倒的で、柱(鬼殺隊、最高位の剣士)が一気に切りかかっても、傷口がすぐに再生してしまい、まったく歯が立たない。

 炭治郎は片目を潰され、傷口に無惨の血(猛毒)を混ぜられたことで瀕死の状態。柱の甘露寺蜜璃も無惨の管による攻撃で致命傷を負い戦線を離脱。肉の壁となって柱を守る鬼殺隊の剣士たちもなすすべもなく殺されていく。

 なんとか持ちこたえていた柱の悲鳴嶼行冥、冨岡義勇、不死川実弥、伊黒小芭内も、無惨の毒によって限界寸前だった。しかし、(無惨と敵対する鬼・珠世によって鬼となった)猫の茶々丸に血清を打ち込まれたことで力を取り戻す。同時に珠世の呪符で姿を消した我妻善逸、嘴平伊之助、栗花落カナヲが参戦し、鬼に強いダメージを与える赫刀が伊黒にも顕現。

 このまま全員で戦い、足止めすることができれば無惨を倒せるのではないかと思った直後、激しい揺れと共に、無惨の足元に無数の地割れが発生。カナヲ以外の鬼殺隊は無惨の攻撃で吹き飛ばされ、再起不能となってしまう。動けないカナヲに無惨が迫る中、喩史郎に血清を打たれた炭治郎が復活。ヒノカミ神楽「輝輝恩光」で無惨の腕を切り落とす。

 炭治郎をみて「醜い姿だ」「これでは」「どちらが鬼か」「わからないな」という無惨に対して、「終わりにしよう」と言い、炭治郎は最後の戦いに挑む。炭治郎は朦朧とする意識の中で「先祖の記憶」を通して見た「始まりの呼吸の剣士」継国緑壱による「日の呼吸」の十二の型を順番に舞い、同じ音の技「円舞」と「炎舞」をつなげて繰り返すことで円環を成すという「十三個めの型」を作り出す。同時に「無惨の攻撃が背中の九本の管と両腕」「それを上回る速度の管を八本、腿から出して攻撃してる」ことを炭治郎は見抜く。

 無惨の攻撃をかわしながら日の呼吸=ヒノカミ神楽で戦う炭治郎の姿は文字通り、命がけで踊っているかのようだ。そこに『鬼滅の刃』の特徴であるモノローグが被さり炭治郎の心情がリアルタイムで語られるのだが、おもしろいのは炭治郎の強さの見せ方。

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