『幽☆遊☆白書』桑原和真は"漢の中の漢"だーー人間味あふれる熱血漢の魅力

心に響く桑原の存在

 それもこれも、すべては彼の人間性から来ているものに違いない。元々は妖怪と住む世界も違い、ただ戦いを共にしただけなのならここまでの存在感は放てないだろう。いつでも全力でぶつかり、真っすぐな気持ちを忘れない桑原は我々の心にジーンと響くものがあった。彼には"最も人間らしい"という言葉がよく似合う。正真正銘の人間なのだから、当たり前なのだけれども。

 男性なら親友にしたい、女性なら夫にしたい(?)、つい側に寄りたくなってしまう男、それが桑原和真だ。『幽☆遊☆白書』は何も妖怪達だけで成り立っている作品ではない。こうした縁の下の力持ちがいるからこそ、面白味が倍増するのだ。

■たかなし亜妖
平成生まれのサブカル系ライター。ゲームシナリオライターとしての顔も持つ。得意技は飲み歩きと自炊。趣味はホラー映画鑑賞。

■書籍情報
『幽☆遊☆白書 完全版(3)』
冨樫義博 著
価格:本体1,143円+税
出版社:集英社
公式サイト

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