愛しい日々の読書

石田ゆり子のクローゼットには哲学があるーー後藤由紀子の『LILY'S CLOSET』レビュー

 また、色についてゆり子さんの感性が光る表現がたくさんちりばめられていました。これまで色についてそんな風に思ったことがなかったので、やはり凡人ではないんだなーと同時に、改めてすごい!と思いました。

赤という色に対して、私はなぜかモノトーンと同じような感覚

実のところ「黒」という色にずっとコンプレックスがありました

白は色の王様だと思っています

例えば心が沈んでいるときに朝焼けのピンクを想像

 先日インスタライブをされていて、詩を読むような美しい言葉の羅列にうっとりしたばかりでした。私もそんな風に表現のできるひとになりたいと憧れてしまいます。

 そして一目ぼれしてしまったのがシンメの服。親友である板谷由夏さんがディレクションされているブランドです。水玉のマキシワンピースを楽しそうにまとうゆり子さんの写真に心奪われ、早速検索し注文をしてしまいました。肌にいちばん近い服のインナーとスリップドレスも保存しつつ、まず最初にこちらを購入するほど、素敵に着こなしていらっしゃいました。

ワンピースは女の人が女らしくいられる色気があって好き

 同感です。大判ストール・メガネ・デニム・ニットは偏愛アイテム。この本はお気に入りのものがたくさんご紹介されていますが、ゆり子さんの哲学書のような心の中を覗き込むことができる1冊です。

■後藤由紀子(ごとう ゆきこ)
1968年静岡県生まれ。静岡県沼津市の雑貨店「hal(ハル)」店主。庭師の夫、長男と長女の4人家族。センスの良い暮らしぶりが雑誌などで人気。著書に『50歳からのおしゃれを探して』『おとな時間を重ねる 毎日が楽しくなる50のヒント』『毎日続くお母さん仕事』『日々のものさし100』など、暮らしまわりにまつわる著書多数。

■書籍情報
『LILY'S CLOSET』
石田ゆり子 著
価格:1,980円(税込)
出版社:マガジンハウス
公式サイト

関連記事