『ゴールデンカムイ』土方歳三と永倉新八が持つ、新撰組の底力 第七師団との戦いやいかに

 『ゴールデンカムイ』240話にて(『週刊ヤングジャンプ』2020年24号)、連続娼婦殺人事件の真相を追う菊田はある人物と遭遇。殺人現場を目にして人々がざわつくも、至って冷静な菊田。登場時から存在感があり、考えの読めない人物だが、一体何が目的なのだろうか? 第七師団の内部事情も気になるところである。

 それぞれが札幌へ集結するなか、連続殺人とは異なる事件も発生しているのだとか。血の匂いが漂う地は、まさに危険地帯でしかないはず。だが金塊の奪い合いに参加した以上は後に引けず、どんな事態が待ち受けていても前に進むしかない。

永倉新八の戦闘が始まる?

 そして遂に土方一派も動き出した今、物語はどう転がっていくのか予想もつかないものとなっている。流石は新選組の生き残り、伊達に長く人生を歩んできてはいない。

 本物の土方歳三は、『ゴールデンカムイ』で描かれている時代にはすでに箱館戦争にて戦士している。没年は34歳だったそうだが、本作では命永らえ70歳の設定。最後まで新撰組として、武士道を貫いた男の中の男だ。彼は鶴見とは違ったカリスマ性があり、同士を募っていく姿は非常に魅力的に思える。

 「いくつになっても男子は刀を振り回すのが好きだろう?」と衰えを一切感じさせないのも魅力の一つ。腕っぷしおろか、思考まで老人とは思えぬほどの勢いを持ち、「カッコイイ……」と震えた読者も多いのではないだろうか? 前線に出て刀を振り回し、時に銃を扱う。「この時代に老いぼれを見たら、生き残りだと思え」という彼の言葉には、力強い説得力がある。

 土方歳三と合わせて、忘れてならないのが永倉新八だ。実際の歴史では局長の近藤勇との関係性が崩れ、決別したのは有名な話。その後は戦死ではなく、小樽にて75歳で病死している。歳を重ねた際の写真は現在でも残っており、本作に登場する永倉は写真ソックリ! 非常に再現度が高いので、気になる人は調べてみるといいだろう。

 普段は非常に穏やかで、土方の醸し出す威圧感とは対照的に、のんびりとした雰囲気を持っている永倉。初登場時は“ただのおじいさん”といった感じだったが、抜刀した時の迫力が凄まじかったのをよく覚えている。あの牛山でさえ圧倒されていたほどのギャップだったのだ。

 現時点では戦闘シーンこそ少ないものの、もともとは血気盛んで「ガムシン」(我武者羅な新八)というあだ名さえ付けられていたそう。もし札幌で本格的な戦いが始まったのなら、彼の本気をまた見ることが出来るかもしれない。

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