ドラマ版『映像研には手を出すな!』、原作ファンの評価は? 乃木坂46演じる3人娘の魅力

想像の世界はどう描かれた?

 映像研の魅力のひとつである3人娘の想像の世界。その世界はドラマではまず白抜き線で表されている。現実の世界に白抜き線で想像を描き加えることで、違和感のない世界のシフトを実現させている。さらにその想像の世界に白抜き線を上書きしていくことで、想像の世界はより彼女たちの考える「最強の世界」へと近づいていく。

 そうして完成した「最強の世界」。彼女たちの想像物は現実世界に実写として出現する。その世界では、汎用有人飛行ポッドが空を飛ぶ。まだ現実では実現しえない技術であり妄想であるが、それを違和感のない図へと仕上げている。現実から白抜き線の想像の世界、そして完成された実写の「最強の世界」へと徐々に図をシフトすることで視聴者を違和感なく想像の世界へと導いた手腕は圧巻である。この「最強の世界」への投入感はドラマならではの魅力であろう。

 これから3カ月間、毎週放映される予定の実写ドラマ。そして公開を控えた実写映画。映画とドラマは同じキャストによって撮影されている。そのため、ドラマから映画への視聴者の意識のシフトも違和感なく行われることであろう。

 乃木坂46が作り出す「映像研」の世界。彼女たちの生み出してくれた3人娘の活躍を、最後まで期待をもって見守っていきたい。

■水城みかん(みずき みかん)
経理・フィットネス・Amazon系を中心に各種Webメディアにて執筆。趣味は漫画・アニメ。AlexaとVODに依存したひきこもり生活を満喫中。

■書籍情報
『映像研には手を出すな!5』
大童澄瞳 著
価格:本体552円+税
出版社:小学館
公式サイト

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