『鬼滅の刃』炭治郎と禰豆子の“強い絆”は奇跡を起こすか? 兄妹の重要エピソードを振り返る

 『週刊少年ジャンプ』2020年19号掲載の『鬼滅の刃』第201話では、無惨との死闘がいよいよクライマックスを迎えている。ここで改めて、炭治郎と禰豆子との絆を強く感じさせるエピソードを振り返ってみよう。

 まず印象的なのは、那田蜘蛛山編での下弦の伍・累との闘い。累はもともと家族の絆に強い憧れがあり、その願望を満たすべく、恐怖支配により他の鬼に母や父や姉といった役割を強いていた。炭治郎が累の蜘蛛の糸で刀を折られ、糸の攻撃を避けきれない彼を見た禰豆子は炭治郎の身代わりとなり、大きなダメージを負う。累は身を挺してかばう姿を見て、さらに上述の背景から、炭治郎と禰豆子との兄妹の絆にいたく感動した。累は禰豆子を妹にしようとし、差し出せば炭治郎の命だけは助けると述べるも炭治郎は断固拒否。そのため、累は糸で禰豆子を吊し上げ、さらに炭治郎の斬撃をゆうゆうとはねのける。しかし、窮地に走馬灯を見た炭治郎は、(のちに日の呼吸へとつながる)ヒノカミ神楽の記憶を思い出し、円舞で累の糸を切り裂いた。また、糸に吊るされた禰豆子は心で母の声を聞き、血気術・爆血で糸を燃やした。炭治郎は爆血の付いた刀で累の首をはねたのだ。

 炭治郎が那田蜘蛛山で禰豆子を連れていたことから、兄妹は鬼殺隊本部で裁判を受ける。彼は妹は人を喰わない鬼で鬼殺隊に協力できると主張するも、柱たちからは厳しく責め立てられる。不死川実弥の紹介記事(『鬼滅の刃』不死川実弥はなぜ炭治郎とぶつかっていたのか? 最後の共闘に至る道すじ)で述べた通り、特に彼からの仕打ちははげしく、炭治郎は実力差のある実弥に反撃した。裁判では、元柱の鱗滝左近次の伝令と、禰豆子が人を喰わないと証明されたことにより、当主の産屋敷耀哉は「彼女なら鬼狩りに協力できる」と告げたのだ。

『鬼滅の刃』11巻

 花街編の上弦の陸・堕姫との闘いでは、禰豆子は鬼としての実力を見せつけた。堕姫に対して日の呼吸を連発した炭治郎は、追いつめる前に一度力尽きる。状況を察知して怒りに燃えた禰豆子は堕姫に立ち向かう。その際、くわえていた竹を振り払う描写が印象的だ。得意の脚技だけでなく、素早い再生速度、切断された腕や脚の血をもちいた爆血などで、堕姫を窮地に立たせた。しかし、歯止めのきかない禰豆子が人を喰おうとしたため、炭治郎は刀で歯を抑え羽交い締めにして彼女を眠らせたのだ。

 上弦の陸は妓夫太郎・堕姫の兄妹であり、彼らは首がはねられた後にもののしりあっていた。しかし、堕姫と妓夫太郎も兄妹同士であり、本当は通じ合っていると、炭治郎が告げたことで、二人は死の直前に和解したのだった。

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