RADWIMPS、M!LK、千葉雄喜、星街すいせい、BAND-MAID、名誉伝説……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は、RADWIMPS「娑婆堕罵 -Shabadaba-」、M!LK「ザッツ!超常」、千葉雄喜「ここまで来た」、星街すいせい「ゾンビゾンビゾンビ」、BAND-MAID「SPIN」、名誉伝説「希望法」の6作品をピックアップした。(編集部)

RADWIMPS「娑婆堕罵 -Shabadaba-」

 ドラマ『ポリティカルパン』(フジテレビ系)主題歌となる新曲。政治マネーを扱う物語、社会性のある話をエンタメに落とし込むならば、主題歌も派手にかぶいたほうが吉、というチーム全体の判断があったのだろうか。ド派手なEDM風シンセ、それも世界を席巻してきたジャージークラブで始まるのだから、もう積極的に“狙いにいった”としか思えない書き下ろし曲である。メロディはほぼなし。強烈なアジテートのように〈国家とは要は言っちゃえば合法化ヤクザ〉〈無能が祀られる政〉など容赦ない言葉が連なり、時折関西弁が挟まれるところも“やってまえ”感を加速させている。まさに大胆不敵。野田洋次郎(Vo/Gt/Piano)らしい繊細さはラストのワンフレーズにそっと滲んでいる。(石井)

RADWIMPS「娑婆堕罵 -Shabadaba-」

M!LK「ザッツ!超常」

 J-POPシーンに大きなムーブメントを巻き起こした“愛”をテーマにした三部作に続く新曲「ザッツ!超常」(カンテレ/フジテレビ系TVアニメ『超巡!超条先輩』オープニングテーマ)は、シンガーソングライターの山崎あおいが作詞作曲を手がけたダンサブルな楽曲。ファンク、ディスコのテイストを取り入れたサウンド、80年代の歌謡曲を想起させるメロディラインは徹底的にキャッチーで、年齢やジェンダーを超え、あらゆるクラスタに波及できるポップチューンに昇華されている。「君と一緒だったら上手くいく。すべてが超常になる!」というメッセージを込めた歌詞、誰でもすぐに真似できる振り付けを含めてバズる要素しかなく、何よりもメンバー自身が全力で楽しんでいることが伝わるのが素晴らしい。M!LKの快進撃はまだまだ続く。そんな確信がはっきり伝わってくるナンバーだ。(森)

M!LK - ザッツ!超常 (Dance Performance Movie)

千葉雄喜「ここまで来た」

 近年、異例のペースで作品リリースが続く千葉雄喜。バイラルヒットした曲の多くは複数の仲間とともに声を上げるものだったが、4thアルバム『◯』のオープニングを飾るこの曲は、千葉がただひとり、自身の過去と未来を歌い上げるもの。そもそも千葉の曲はフックの反復がメイン。メロディがあるだけでも新鮮なのに、曲調も旋律もやたらとメランコリックなのでギャップ萌えに近い驚きがある。また、普段から「ラフで淡々」「ほとんど喋るよう」と言われる彼のラップスタイルだが、こういう曲で一緒に歌ってみると魅力がよくわかる。めくるめく押韻やフロウはないものの、口にすると気持ちがいい言葉ばかりが厳選されているのだ。(石井)

千葉雄喜 (Yuki Chiba) ー ここまで来た (Kokomade Kita) [Official Music Video]

星街すいせい「ゾンビゾンビゾンビ」

 初の4都市を巡るアリーナツアー『HOSHIMACHI SUISEI ARENA TOUR 2026 Once Upon a Stellar』を開催中の星街すいせいから届けられた新曲「ゾンビゾンビゾンビ」は、なとりの提供によるダンスチューン。凄まじい勢いで駆け抜けていくビート、不穏な雰囲気が漂うサウンドの中で歌われるのは、生の実感が持ちづらく、虚偽混じりの情報の中で踊らされる現代的な閉塞感。〈大渋滞も世界滅亡も/言い換えりゃ、もはや宴〉など今の社会を照らし出すようなフレーズが次々と繰り出され、奇妙な共感を覚えてしまう。かなりシリアスな題材だと思うが、そのヤバさをそのままパッケージして、なおかつ爆発的なポップチューンへと結びつける星街のボーカル表現も圧巻。今のシーンを代表するシンガーであることは疑いようがない。(森)

ゾンビゾンビゾンビ / 星街すいせい (official)

BAND-MAID「SPIN」

 アニメ『BEYBLADE X ベイキングダム編』(ベイチューブ)のエンディングテーマ。ヘヴィメタル/ハードロックの様式美とアニソンの相性の良さは影山ヒロノブの時代から永遠なので、小鳩ミク(Gt/Vo)が作詞を手がけたこの新曲も、昔から愛されてきた熱血系アニメ主題歌のような親近感。〈その手を掲げろ〉と宣言するサビ、続くコーラスの熱量、さらに〈Chimney Chimney/Peleka Peleka〉で出てくる三連符の気持ちよさ。ベタではあるがこの高揚感に抗うのは難しい。SAIKI(Vo)の力強い唱法と、後半に一瞬出てくる小鳩の超ラブリーな歌唱パートの対比もBAND-MAIDらしさを際立たせている。アニメをきっかけにさらに世界でバズっていくか。(石井)

BAND-MAID / SPIN (Official Music Video) Anime "BEYBLADE X" Ending Theme Song

名誉伝説「希望法」

 こたに(Vo)、けっさく(Gt)による名誉伝説の1stアルバム『OK集』。“良いところもダメなところも丸ごとと肯定したい”というテーマを掲げた本作の軸になっている楽曲のひとつが「希望法」だ。〈誰にも見せない本音は/胸の奥で歳を重ねる〉というフレーズで始まるこの曲が描いているのは、「こうなりたい」「こんな夢を叶えたい」と願い続ける人の美しさ。バラード調のサウンドと歪んだギターのコントラスト、大らかに解放されるサビのメロディなど、名誉伝説の新機軸と呼ぶべき楽曲に仕上がっている。特筆すべきはこたにの歌声。これまではけっさくが創り出す楽曲の主人公に寄り添うように歌うことが多かったこたにだが、この曲では彼女自身の生々しい想いが強く刻まれている。(森)

名誉伝説「希望法」

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