松木美定が語る夜の宅録アルバム『The Night Atelier』 孤独を美しくする音楽、ひとりで作ることの意味

松木美定、“ひとり”で作ることの意味

「Dreamin'」はアンコール 夜の終わりに残す余韻

――終盤の「Late Show (Writer's Cut)」から「Dreamin'」へ進む流れは、夜明けへ向かうようにも感じました。

松木:僕の中では「Late Show(Writer's Cut)」がラストの曲で、「Dreamin'」はアンコールなんです。幕が下がった後、もう一度出てきて「バイバーイ」と手を振るような、退場曲の感覚で、すごく軽い気持ちで作りました。映画のエンドクレジットのように、途中で席を立つ人もいれば、最後まで余韻に浸る人もいる。ちょっとしたサービスみたいな曲ですね。

――「花の記憶」、「だませない」、「Dreamin'」には、考え抜いた末の精密さとは別の魅力があります。

松木:その3曲は完全にそうですね。これまで聴いてきた音楽のフレーズが、自分の中で噛み砕かれて、消化された状態で自然に出てきたんだと思います。

――そんな松木さんですが、プログラミングも歌詞も歌もミックスも、ほぼひとりで担ったアルバム制作を終えて、次に向かう気持ちは?

松木:すごく疲れました(笑)。作業自体より、ひとりでずっと悩み続ける精神的な負荷が大きかったです。次は生楽器を使ったり、誰かと一緒に作ったり、自分が悩む余地のない方法へ戻るかもしれません。全部ひとりで、ここまで思い詰めて作ることは、これからもあまりなさそうです。自分と向き合いすぎて、ちょっと疲れちゃいました。

――それでも、作品を完成させることができた。僕は、2026年においての気分を表す傑作アルバムだと思っています。

松木:ありがとうございます。完成させるというのは、諦めるポイントを見つけることだと思っているんです。もちろん、ネガティブな意味ではなくて。スタッフの方がマスタリングの日程を決めてくださって、「ここが締め切りです」となった。夏休みの宿題みたいな感じですよね。この3年間、締め切りがなかったら、同じものをずっと作っていたかもしれません。自分でセルフプロデュースした作品ではありますけど、客観的に終着点を作ってくれるプロデューサーのような存在は大切だと逆に気づきました。

――このアルバムを手にする人へ、どんなふうに聴いてほしいか教えてください。

松木:思った通りに聴いていただけたら、それが一番です。音楽を聴くのは本当に自分のためだと思うので、自分をいたわってほしいですね。本作がその支えになるかはわからないですけど、自分をいたわる時間のBGMぐらいにしてもらえたら、嬉しいです。

■リリース情報
『The Night Atelier』
2026年9月23日(水)リリース

『The Night Atelier』
『The Night Atelier』

ST&DL:https://orcd.co/the-night-atelier
タワーレコード:https://tower.jp/item/8154845
Amazon:https://amzn.asia/d/08VZgGFz
※CDはタワーレコード、Amazonでの限定販売
 
<収録曲(全9曲)>
M1 魔術師たちの夜
M2 私の影
M3 牙の輝き
M4 Moon
M5 花の記憶
M6 だませない
M7 逆らう羽(The Night Atelier Ver.)
M8 Late Show (Writer’s Cut)     
M9 Dreamin’

■関連リンク
X:https://x.com/matsukibitei
Instagram:https://www.instagram.com/matsuki_bitei/

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