日本のカルチャーから受け取ったもの、自分に必要なメッセージとの向き合い方 HANROROが語る、音楽への“自信”

HANRORO、音楽への“自信”

 韓国のシンガーソングライター・HANRORO。若さのなかにある不安や痛み、愛や生きることへの思いを繊細な言葉とロックサウンドに落とし込み、デビュー曲「Let Me Love My Youth」はBTS・RMが紹介したことでも注目を集めた。2026年には『SUMMER SONIC 2026』に出演し、日本初となる単独公演『HANRORO 1st Live in Tokyo』も開催するなど、日本でその音楽を届ける機会を広げている。

 『サマソニ』出演時にもインタビューを通して彼女の音楽観や日本カルチャーからの影響について話を聞いたが、今回はあらためて対面でインタビューをさせてもらうことができた。日本初の単独公演で感じた観客との距離、文章と音楽が結びついた創作の原点、RMの紹介をきっかけに生まれた楽曲への自信、そして幼い頃から親しんできた日本の映画やアニメ、音楽について、さらに深く語ってもらった。日本のカルチャーから多くのものを受け取ってきたHANROROが、今度は自身の表現を通して何を届けていこうとしているのか。その現在地に迫る。(川崎龍也)

昔から人生や人の日常について深く考えることがすごく好きでした

――日本で初めての単独公演を終えて、いかがでしたか?

HANRORO:海外でライブをするなら、最初は必ず日本に行きたいとずっと思っていたんです。なので、こうして日本で初めて単独公演ができたことで、また新しい夢が始まったような気持ちになりました。本当に幸せでしたし、これからはもっと大きな目標も持てるんじゃないかなと思っています。

――ライブのMCでも話していましたけど、日本では曲が終わるたびに拍手が起こることに驚いていましたよね。実際にステージに立ってみて、日本と韓国のカルチャーの違いは感じましたか?

HANRORO:日本のみなさんは、音楽をすごく集中して聴いてくださっているんだなと感じました。日本のお客さんは比較的静かだという話自体は聞いたことがあったんですけど、実際にアーティストの立場で経験してみると、韓国とはかなり違う環境なんだなと思いました。でも、これから日本でライブをする機会が増えていくのであれば、私自身が慣れていかないといけないなと思って。基本的には、その違いもポジティブに、すごく楽しみながらライブをしていました。

――韓国では、お客さんからどんなリアクションが返ってくるんですか?

HANRORO:韓国のお客さんは、何かを話した時に相づちを打ってくれたり、コメントみたいな感じで返してくれたりする人が多いんです。だから、日本でも韓国でやっているのと同じように聞いたら、拍手が返ってきて(笑)。それは面白いなと思いました。

――今回はライブ以外で日本を楽しむ時間もありましたか?

HANRORO:『SUMMER SONIC 2026』での来日時はあまり時間がなくて、すぐに帰らないといけなかったんです。でも、今回は少し見て回る時間がありました。ユニクロにも行って、もともとアニメが好きなので、『BLEACH』のTシャツを買いました。

――短い時間でも日本を満喫できたんですね。

HANRORO:はい。海外だと取り寄せないといけないこともあるので、日本で直接買えてよかったです。

HANRORO(撮影=番正しおり)

――『サマソニ』に出演してみて、どんなことが印象に残っていますか?

HANRORO:驚いたことがありまして、ステージとステージの距離がすごく遠いんですよね。それぞれの規模も大きいですし、自分が出演したステージと控室もかなり離れていて。ほかのステージは観られなかったんですが、そういうところからも『サマソニ』の規模の大きさを感じました。

――それでいうと、日本での単独公演はお客さんとの距離がかなり近かったですよね。

HANRORO:それはそれで、ちょっと緊張しました(笑)。

――(笑)。僕は2階席から観ていたんですけど、序盤はHANROROさんの緊張感も少し伝わってきました。ただ、ライブが進むにつれて少しずつほぐれていって、HANROROさん自身も会場の空気に入っていったように見えたんです。

HANRORO:それは合っていると思います。特に緊張したのは、最初にステージに出た瞬間と、1曲目を歌う時、それから日本語で歌う時。その3つがいちばん緊張したポイントでした。

――日本語、とても自然でした。

HANRORO:ありがとうございます。もっと頑張ります(笑)。

――ここからはHANROROさん自身のルーツについても聞きたいです。HANROROさんの曲には、若さのなかにある不安や痛みだったり、愛だったり、生きることについてだったり、内側にある感情がかなり率直に書かれていますよね。そもそも、そういう自分の感情を何かの形に残したいと思うようになったのは、いつ頃だったんでしょう?

HANRORO:振り返ってみても、“この時期から”というのは正直覚えていないくらいなんですが、昔から人生や人の日常について深く考えることがすごく好きでした。それを文字や文章で表現することも、もともと好きだったんです。それとは別に、音楽を聴くことや歌うことも好きで。ただ、最初は自分のなかで文章と音楽はまったく別のものだったんです。それがある時、「このふたつは混ざることができるんだ」と気づいて。自分が伝えたいメッセージにメロディをつけることで、もっといろいろな人に届くし、共感してもらうこともできる。そのことに気づいたところから、今の音楽につながっていったんだと思います。

――面白いのが、「自分のことを伝えたい」という気持ちが先にあったというより、もともと文章を書くことと音楽が好きで、そのふたつがあとから結びついていったんですね。

HANRORO:そうですね。ただ、自分で書いた文章をそのまま人に見せることは、当時はものすごく恥ずかしかったんです。自分が考えていることが全部バレてしまうような感じがして。でも、それを音楽にして聴かせることは、文章をそのまま見せるよりも恥ずかしくなかったんですよね。私はもともと、自分の考えていることを何でも表現したがるタイプではないんです。それを音楽のなかでは表現することができました。

HANRORO(撮影=番正しおり)

HANRORO(撮影=番正しおり)

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる