山下達郎、大貫妙子、浜田省吾、さだまさし、高中正義……1976年ソロデビュー組、50年後も広がり続ける音楽
2026年、かつてバンドで活動した多くのアーティストたちが、ソロデビュー50周年という節目を迎えている。そして、その節目にあってなお、半世紀にわたるキャリアの先に新たな境地へ踏み出すアーティストもいる。
シュガー・ベイブから始まった、大貫妙子と山下達郎のソロ50年
大貫妙子は、9月25日でソロデビュー50周年を迎えた。大貫は、1973年から1976年までシュガー・ベイブのメンバーとして活動。1975年に名盤『SONGS』をリリースするなど、日本のシティポップの先駆けとなった。代表曲「DOWN TOWN」(1975年)も現在、CMなどさまざまな場面で使用されており、グループ解散から50年を経ても、その音楽は幅広い世代に聴き継がれている。
シュガー・ベイブは1976年に解散したが、大貫は同年9月に初のソロアルバム『Grey Skies』をリリースした。ソニーミュージックのオフィシャルサイトでは、大貫を「日本のポップ・ミュージックにおける女性シンガー&ソング・ライターの草分けのひとり」と紹介(※1)。大貫自身も「私が仕事を始めた70年代には、シンガー・ソングライターという形で活動している人は、ポップミュージックの世界ではほとんどいなかったですね。フォークの先輩はいましたけれど」(※2)と振り返っている。
当時の女性シンガーソングライターのシーンでは荒井由実が頭角を現した頃であり、1976年には矢野顕子も『JAPANESE GIRL』でソロデビューを果たしている。そんな中にあって大貫は、ジャズやソウルなどのニュアンスを取り入れた意欲あふれる作品を発表。その後、『ROMANTIQUE』(1980年)、『AVENTURE』(1981年)、『Cliché』(1982年)の“ヨーロッパ3部作”が高く評価されると、それまでの作品も徐々に見直されていった。
現在では、世界的なシティポップ人気を背景に、1977年発表の『SUNSHOWER』が海外でも高い評価を集めるなど、時代を超えてその音楽が再発見され続けている。そうした流れもあってか、今年2月にはアメリカ·ロサンゼルスで自身初の海外公演を開催。日本のシティポップを紹介するシリーズ『City Pop Waves』の第1弾単独公演となった。以降も5月に韓国、8月に台湾でいずれも初ライブが行われるなど、ソロデビュー50年目にして、大貫の音楽は新たな場所へと届き始めている。
そんな大貫とともにシュガー・ベイブの一員として活動した山下達郎も、2026年にソロデビュー50周年を迎える。山下はアルバム『CIRCUS TOWN』(1976年)でソロデビューして以降、高度な演奏技術と緻密な音楽設計を駆使しながら、それを親しみやすいポップソングへと昇華してきた。CMなどでおなじみの「クリスマス・イブ」(1983年)では、コーラスパートに50声分以上を使用。自らの声による多重録音を1日でやり切ったと語っている(※3)。
そのサウンドもまた、海を越えて世界的な広がりを見せている。中でも韓国のクラブシーンでは、山下の「RIDE ON TIME」や「SPARKLE」が流れるとフロアが盛り上がるという。日本ではCM曲やドラマ曲などの印象が強いが、海外ではダンスミュージックとして若者たちを熱狂させているのだ。
日本のフュージョンを海外へ、世界各地を沸かす高中正義
海外での再評価という点では、フュージョンシーンをリードするギタリスト・高中正義の存在にも触れておかなければならない。高中はフライド・エッグ、サディスティック・ミカ・バンドなどを経て、1976年に『SEYCHELLES』でソロデビューした。
8月23日放送『EIGHT-JAM』(テレビ朝日系)のフュージョン特集に出演した、かつしかトリオのドラマー・神保彰は、メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースの試合を観戦した際、目の前に座っていた現地客から「高中正義を知っているか?」と声をかけられ、彼のCDを取り出されたというエピソードを明かしていた。
海外での高中人気の特徴は、TikTokなどSNSを通じて楽曲や演奏姿が話題になった点にある。各SNSでハッシュタグ「#masayoshitakanaka」を覗いてみると、海外リスナーによる高中に関する投稿が多数見られる。初期アルバムがアナログLPで再発される際には、日本国内より海外で先行リリースされることもあるほどの需要を見せている。
そんな高中は、2025年から2026年にかけてロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、シドニーなど世界各都市を巡るワールドツアー『SUPER TAKANAKA WORLD LIVE 2026』も成功させた。海外公演は追加公演を含めてすべてソールドアウトを記録。ソロデビュー50年目にして、世界各地の観客を熱狂させる存在となった。






















