乃木坂46・櫻坂46・日向坂46に見るキャプテン世代交代、“作る”から“繋ぐ”へ 松田里奈の卒業で迎える転換点
坂道3グループにおいて、キャプテンをめぐる大きな世代交代が進んでいる。乃木坂46は、今年5月に3代目キャプテンの梅澤美波が卒業し、5期生の菅原咲月が4代目キャプテンに就任。日向坂46は、2025年4月、けやき坂46時代からグループを率いてきた佐々木久美から、3期生の髙橋未来虹へとバトンが渡った。そして櫻坂46は、9月9日、2022年11月からキャプテンを務めてきた2期生の松田里奈が、年内をもってグループを卒業することを発表した。後任は現時点で発表されていないが、今年4月からは同じく2期生の山﨑天が副キャプテンを務めている。
世代交代とともに変化するキャプテンの立ち位置
3グループの動きを見て感じるのは、キャプテンに求められる役割そのものが変化しているということだ。乃木坂46の桜井玲香や秋元真夏、日向坂46の佐々木、櫻坂46の前身である欅坂46からキャプテンを務めた菅井友香は、いずれもグループの初期を支えたメンバーだった。まだ“グループらしさ”が明確に定まっていない時期から活動し、それをメンバーとともに作ってきた存在でもある。一方、現在キャプテンを務める乃木坂46の菅原や日向坂46の髙橋は、すでに確立されたグループの姿を見て加入した世代だ。キャプテンに求められる役割も、“グループを作る”ことから受け継いだものをどうやって“次へ進めるか”へと変わりつつあるように思う。
その変化が最もわかりやすく表れているのが乃木坂46だろう。初代の桜井、2代目の秋元に続き、2023年2月にキャプテンへ就任したのが3期生の梅澤だった。梅澤がキャプテンを務めた約3年間は、1期生、2期生の卒業を経て、グループの中心が後輩世代へと完全に移っていくタイミングでもあった。乃木坂46が長く培ってきた空気を知るメンバーとして、それを後輩へ渡していく。梅澤は“新しい乃木坂46を作る”というよりも、先輩たちから受け取ったものと、その先にある乃木坂46を“つなぐ”役割を担っていたと言える。
菅原は、乃木坂46がすでに10年以上の歴史を確立させた2022年に加入した5期生。2024年12月から副キャプテンを務め、約1年半にわたって梅澤のそばでグループを牽引してきた時間を経て、キャプテンを引き継いだ。ここで興味深いのは、キャプテンが必ずしもグループで最も上の世代である必要がなくなったことだ。副キャプテン就任時には「自分なりの副キャプテン像」を見つけたいとブログで綴っていたように(※1)、前任者のあり方をそのまま踏襲するのではなく、自分の立場や世代に合った形を模索してきた。現在の乃木坂46におけるキャプテンは、年長者の立場からグループをまとめる存在というより、メンバーと近い距離で全体をつなぐ役割を担うことも重要なのかもしれない。
日向坂46は、乃木坂46以上に大きな変化だった。佐々木は2018年、けやき坂46時代にキャプテンへ就任し、翌年の日向坂46への改名からデビュー、そして東京ドーム公演まで、グループの歴史のほとんどをキャプテンとして歩んできた。日向坂46にとって佐々木は、初代キャプテンという以上に、グループの明るさやバラエティでの立ち居振る舞いを含め、“日向坂46らしさ”を形作ってきたメンバーのひとりだった。
その後任が三期生の髙橋であることも象徴的だ。髙橋は2024年11月に副キャプテンへ就任した際、先輩メンバーの卒業や5期生の加入によって形が変わっていく中でも「変わらないもの、守りたいもの」があるとブログに綴っていた(※2)。佐々木と同じことをするのではなく、守るものを見極めながら新しい日向坂46を築いていく。キャプテン交代後のグループを見ていても、髙橋だけが前に立って引っ張るというより、4期生や5期生を含めたそれぞれの個性を活かしながら、全体で次の形を探している印象が強い。