GANG PARADE THE LAST ROAD Vol.6:月ノウサギ「アイドルになりたかった夢を叶え切った」 嘘のない感情、“諦めない”理由
「『すごく素直だなあ』と思ったんですよね」――WACKに見た“違い”
――高校を卒業したあとの進路は、どのようなことを考えていました?
月ノ:進路を本格的に考え始めたのは高3の時でした。自分の好きなことを学びたいと思って、ヘアメイクとかの専門学校のAO入試を受けました。受かって、早めに進路が決まったんです。でも、それと同じくらいの時期に『ミスiD』を受けていて。ノリで受けただけだったんですけど、「これで結果を残せたらアイドルを目指してみようかな」「今ここで挑戦しておかないと、10年後、20年後に『やっときゃよかった』と思いそうだな」みたいな。それで受けたら、本当に賞をとれてしまって。
――月のフォトジェニック賞でしたよね。
月ノ:恥ずかしいんで、あんまり自分では言いたくないんですけど(笑)。賞をいただいて、「ちょっと目指してみようかな」と思って、専門学校の合格を流しました。
――ええ!
月ノ:でも、流したことを誰にも言ってなくて。卒業式の時、先生も友だちも、私が専門学校に行くと思ってました(笑)。「アイドルを目指そう」と思ったちょうどそのタイミングで、情報としてTwitter(現X)で流れてきたのがWACKのオーディションで。
――話がちょっと戻りますが、ずっと興味がなかったアイドルを急に目指すようになったきっかけは何だったんですか?
月ノ:それくらいの頃にアイドルをいろいろ見始めたんですよ。「自分もやってみたい」という衝動にいちばん駆られたのはBiSHだったかも。自分と同世代くらいの女の子たちがステージに立っているのを観て、「自分もそっち側になってみたいなあ」と思わされたんです。
――BiSH以外は?
月ノ:乃木坂46、欅坂46(現櫻坂46)とかの人気がすごかったので、人並みには見ていたと思います。
――そういうなかで、特に惹かれたのがBiSH?
月ノ:はい。ほかのWACKのグループもそうだったんですけど、「すごく素直だなあ」と思ったんですよね。アイドルって、ずっとニコニコしてかわいくて、きれいなものを見せるというイメージが強かったけど、WACKのアイドルはいろんな気持ちをさらけ出しているのを感じて、「嘘のない気持ちでライブをしてるんだろうな」と。「こういうアイドルもいるんだ?」「こういうアイドルだったらやってみたいなあ」と思ったのをすごく覚えてます。
――ギャンパレはその頃から知っていました?
月ノ:知ってはいたんですけど、本格的に観始めたのはWACKのオーディションを受けようと思ってからでした。
――受けたのは、2018年のオーディションでしたよね。
月ノ:書類を送って、通ったので面接をしてもらったんですけど、「通らないだろう」と思ってました。でも、面接から数日後に渡辺(淳之介)さんから電話がきて、「合宿行けますか?」って言われたんです。その日のことを今でも覚えてます、怖すぎて。「地獄への電話がかかってきた!」って(笑)。
――地獄のような合宿だと知っていたんですか?
月ノ:はい。それを知りながら応募したんですけど、「終わったー!」って。でも、断る理由はもちろんないので即答で「行けます!」と。でも、「うわあ……」って(笑)。
――(笑)。ちなみに、進学をやめたことに関して、親御さんはどういう反応だったんですか?
月ノ:母親は「他人に迷惑さえかけなければ好きにしなさい」っていう感じなんです。だから「アイドルになる」って言った時も、「やってみれば」と。でも、お父さんには一回反対されて。実はお父さんとお母さんが別居していて、数年間、お父さんと会ってなかったんです。久しぶりに会いに行った時に「専門受かりました」と報告して、その数週間後にまた会いに行って「専門行くのをやめてアイドルになります」って言ったから、「頭おかしくなったのかな?」と思われたでしょうけど(笑)。
――びっくりだったでしょうね。
月ノ:「一回考えろ」と言われました。今になって思えば、「そりゃそうだよな」って思いますけど、当時、私も若かったので「いや、私は何を言われてもそうする!」と。その後、また会いに行ったら、「いろいろ考えたけど、自分の人生だし、よく考えてみたらお父さんも昔はバンドを夢見てた頃もあったし、気持ちはわかる。だから、自分の好きにしていいよ。もし困ったらお金は助けてあげるから」と言ってくれて、「いい親を持ったなあ」と思いました。最終的には、ふたりとも応援してくれました。
合宿でいちばん大事にしていたことは、「渡辺さんに嘘をついたら終わる」ということ
――合宿に行く前には、いろいろな動画を観たんですよね。どんな印象でした?
月ノ:初めて観たのはGANG PARADEの「GANG PARADE」と「イミナイウタ」のライブ映像だったんです。「めっちゃかっこいい!」って。BiSHはそれぞれの個性で戦っていく感じだったけど、ギャンパレは塊で戦っている感じがしました。「WACKにこんなグループもいるんだ!」と衝撃を受けたのを覚えています。振り付けもかっこよくて、「GANG PARADE」と「イミナイウタ」は、今でも大好きな2曲です。
――ヤンキー集団感が強かった当時のギャンパレが表れている曲ですよね。ヤンキーへの憧れがあったんでしょうか?
月ノ:両親が元ヤンなので、その血は流れていると思います(笑)。
――なるほど(笑)。合宿の話に戻りますが、どんな思い出がありますか?
月ノ:いろいろありすぎて忘れられないですね。「博多港に集合してください」とまず言われたんです。当時の私は飛行機に乗ったこともなかったんですけど、羽田空港に渡辺さんがいて、「いる!」って(笑)。渡辺さんは同じ便で、飛行機の3列後ろくらいに座りました。合宿が始まる前からびっくりしましたね。それで博多港に着いたら、「これから壱岐島に行きます」と初めて聞かされて「島流しだ」って思って。
――(笑)。壱岐島、ごはんがおいしそうじゃないですか。生配信を観ていると、いつも海の幸が羨ましくなります。
月ノ:壱岐島、ごはんがすごくおいしかったです、でも、デスソースが……。
――台なしですよね。
月ノ:そうなんです(笑)。
――合宿の時は、どこのグループに入りたいと言っていました?
月ノ:一貫して「どこでもいい」と言ってました。そうしたら面談で「なんで(合宿に)きたの?」と聞かれて、「アイドルになりたくてきました」と答えたんですけど、「WACKじゃなくてもいいの?」と言われて、「WACKのアイドルになりたくてきたけど、もしこれに落ちたら別のオーディションを受けるしな」と思ったのを覚えています。だから、「今はWACKのアイドルになるためにきました」と言いました。
――「顔のわりに根性あるな」と渡辺さんに言われたのは、合宿の時でしたっけ?
月ノ:そうです。「どういうこと?」と当時は思いましたし、「これ落ちたらおまえ、乃木坂とか受けるんだろ?」とも言われましたね。「これ落ちたら、そりゃ受けますよ」「落とすなよ!」と思ってました(笑)。
――渡辺さんの言葉に対して強い気持で向き合うその感じ、WACKに合ってたんだと思います。
月ノ:根性系ではあったので。合宿でいちばん大事にしていたことは、「渡辺さんに嘘をついたら終わる」ということでした。前の年の合宿を全部観てから行ったんですけど、それを直感で感じたんですよね。「この人、嘘を見抜くのが上手いだろうな」「取り繕ったら、そこをつつかれるんだろうな」「自分に多少不利でもさらけ出したほうがいいな」と思っていました。
――合宿の最終日まで残ってギャンパレのメンバーになった時は、どのようなことを思いました?
月ノ:めっちゃ嬉しかったです。大阪城野音(大阪城音楽堂)で合格発表だったんですよね。あれは忘れられないです。あの時、(キャン・GP・)マイカがギャンパレから代表メンバーとしてきていて。改名したのもあの時でした。
――合宿中、WACKメンバーのなかで最下位で、「キャン・マイカ」から「キャン・GP・マイカ」になった時ですね。
月ノ:そうです。合格発表の前にマイカの最下位と改名が発表されて、渡辺さんに「GANG PARADEを背負っていってください」と言われてお辞儀をした時、マイカが泣いてて。でも、顔を上げたらいつものマイカに戻って、「かっこいいなあ」と思ったのを覚えています。あと、合格発表前に全グループのライブがあって、ギャンパレのライブも観たんです。ギャンパレのライブをいちばん覚えてるかも。「Plastic 2 Mercy」で大きいステージを端から端まで移動しているのを観て、「すご!」って。
――WACKに所属すると名前をもらいますが、「月ノウサギ」になった経緯は?
月ノ:10パターンくらい渡辺さんが考えてくれて、メールで候補をいただきました。改行した最後の1行に「おすすめは月ノウサギです」と書いてあって、「じゃあ、おすすめで」と。でも、気に入ってます。
――お仕置きされそうな名前ですが。
月ノ:浮かびますよね(笑)。当時、有名な何かのオマージュの名前が結構あったんです。セントチヒロ・チッチさん、ゴ・ジーラさんとか。その流れかなあ、と。