XngHan「いつか自分の音楽も誰かの思い出の一部に」 躊躇せず前進を続けた日々、日本デビューを前に振り返る
XngHan&Xoulは今、唯一無二のスタイルを極めようとしている。ソロとして歩み始めたXngHanが、音楽、パフォーマンス、スタイリング、アートワークなど、さまざまなジャンルのスペシャリストたち=“Xoul”とタッグを組んでいくこのプロジェクトは、昨年7月に発表されたシングル『Waste No Time』で始動。その時々の感情や関心事、状況をリリカルに描き、ハイクオリティなサウンドで仕上げるスタイルは、1stミニアルバム『Glow』で、早くも完成の域に近づいたと言っても過言ではない。順調だったこの1年のあいだに気鋭のアーティストは何を考え、何を目指していたのか――。『Glow』の日本盤リリースを機に来日した彼に、現在の率直な思いを聞いた。(まつもとたくお)
これ以上時間を無駄にしたくありませんでした
——2025年7月に発売されたデビュー曲「Waste No Time」は、iTunesトップソングチャートの世界12地域の1位を獲得しました。
XngHan:実は当時は、うれしさと不安が半々でした。XngHan&Xoulというスタイルは、多くの方にとって新鮮に映ったと思うんです。とまどう方も多くて、僕自身も説明するのが難しい部分がありました。でも、今回のアルバム『Glow』をリリースした頃から「こういうプロジェクトなんだ」と少しずつ理解していただけるようになったと感じています。
——XngHan&Xoulの“Xoul”ですが、スタート当初の構成はダンサーがメインでしたね。
XngHan:はい。今後はジャンルの枠を超えてさまざまな方とコラボレーションしていくつもりです。そうなっていくと、プロジェクトの形や名称も変化していく可能性もあるのかもしれません。
——特に「Waste No Time」は、世界のさまざまな地域で人気を集めました。この結果については、どのように受け止めていますか。
XngHan:デビュー曲だったので、正直どれくらい反応をいただけるのかまったく想像できませんでした。期待と不安が半々でしたが、予想以上にたくさんの方に聴いていただき、あたたかい反応をいただけたことがとてもうれしかったです。
——歌詞には「今この瞬間を逃さず、躊躇せず前へ進む」という決意が込められています。まさに当時の心境そのものだったのではないでしょうか。
XngHan:はい。自分としても、これ以上時間を無駄にしたくありませんでした。一日でも早くファンのみなさんと大切な時間を共有したいと考えていましたし……。その意味でも、この曲のメッセージは自分の気持ちと重なっていたと思います。
——このシングルをきっかけに精力的な活動を続けています。カップリング曲でXngHanさんが作詞に参加した「Heavenly Blue」には〈君は私の人生の慰め〉というフレーズがありますが、実際にファンとの交流を通して、そのような気持ちを強く感じる場面はありましたか?
XngHan:いちばん印象に残っているのは、オフラインでサイン会を開催したときです。世界中のさまざまな国から会いに来てくださって、応援の言葉を直接かけていただきました。その一つひとつの言葉が、自分にとって本当に大きな力になりました。
音楽性の追求と“新しい一面”を見せることの両立
——今年発売した初のミニアルバム『Glow』はとても充実した内容ですね。デビューシングルではメッセージ性を重視していましたが、今回は多彩なサウンドとスタイルを前面に押し出した作品になりました。XngHan&Xoulはひとつのカラーだけではないことをアピールしたかったのでしょうか。
XngHan:そうですね。ジャンルとしては近い部分もありますが、それぞれ異なるサウンドを取り入れることで、新しい一面をお見せしたいと思っていました。ボーカルの面でも本当にたくさん努力したので、自分自身の成長した部分も少しは感じていただけたんじゃないかなと思っています。
——オープニングを飾る「Dancing Anyway」は、甘美なピアノの旋律からダンサブルな展開へと移り変わるエレクトロポップです。ソウルフルでありながらスウィートな歌声からはシンガーとしての成長も感じます。
XngHan:特にこだわったのは、冒頭の歌い出しです。甘い雰囲気のあるパートなので、その魅力をしっかり表現したくて、何度も練習しました。繊細なニュアンスがたくさんの方にきちんと伝わっていたらうれしいですね。
——リードトラック「Glow」は、自由な瞬間のときめきを感じさせるポップハウスナンバーです。ポジティブなエネルギーに満ちた楽曲ですが、今のご自身の心境を表しているようにも思いました。
XngHan:初めてこの曲を聴いた時に「リードトラックは絶対にこの曲だ」と直感したんです。リードトラックはアルバムの顔になるので、成功しなければいけないという気持ちがあって。その意味でも、この曲ならきっと多くの方に届くに違いないと考えて選びました。
——3曲目の「Light The Fire」では、ブレスの使い方やファルセットなどから、マイケル・ジャクソンをはじめとするソウルミュージックのレジェンドたちの影響を感じました。音の引き出しが多いですね。
XngHan:光栄です。音楽を仕事にしているので、本当にいろいろなジャンルを聴くようにしています。それぞれのジャンルに好きなアーティストがいますが、その人をそのまま真似るのではなく、「この人の魅力を自分の音楽にどう活かせるだろう?」と考えながら聴くようにしています。